第5章 jackal

「君はそんなことしなくていいよ。欲を言えば私が脱がせたい」

上半身裸になった石切丸が、畳んであった布団を片手で引き延ばし、私の身体を移動させるとまた覆い被さりそっと抱き締めてくれる。

そのまま横に寝転がりお互い見つめあうような形になると、

「主はとても温かいね」

「…暑いの間違いでしょう？」

「まぁ、そうかもしれないけどね」

既に情事の後感が漂っているのは何故だろう。

思っていると、石切丸は私の胸元で手を動かした。

「…主」

「どうしましたか？」

急に手を止めまた私を見つめてくる。

「どう脱がすといいのだろう…」

私の服に戸惑っているようだった。

「あ、このボタンを…外して…」

「こうかい？」

「そぅ、です」

なんだか石切丸がかわいく見えてくる。

「あぁ、わかった。それからこう、か」

とりあえずボタンを全部外し終えると、隙間から掌を差し入れて肩を撫でた。

「っふふっ、くすぐったいです」

「主の肌はとても滑らかだね」

掌で撫で回しながら、服を肩から脱がせていった。　　

「これは…」

今度はブラトップで止まる。

「えと、引き上げてください。被ってるだけなので…」

「わかった」

肋骨あたりから手を差し入れ私の身体から脱がし、

「主は本当にキレイだね…」

上半身に纏うものがなくなった私に言った。

「さて、ここからはもう大丈夫だろう」

言うとまた私の唇を塞ぐ。優しく啄むように口づけながら石切丸の掌が私の胸を撫でた。

なんとなくぎこちない動き。

「んっっ」

逆に焦らされているようで僅か疼いた。

そして私の小さな声を拾った石切丸は、また私に覆い被さるように身体を動かし、組み敷いた私に口づけを深くする。

「っ、は…」

湿り気を帯びた口づけの開始に私はだらしなく口を開け石切丸の舌を受け入れた。

歯列をなぞったり、上唇だけを吸い上げたり。そして時に口内を荒らす。

その間に石切丸は大きな両掌で私の胸を愛撫し続けていた。

先端に擦れる度に身体が揺れてしまう。

「ぁっ、…いし、き」

声を上げるもまた唇を塞がれ胸を揉み続けられる。

「っは、こんなに柔らかいなんて…」

言葉にされると妙に恥ずかしく感じるもので。

「主の胸にはいつまでも触れていたいものだね」

新しいおもちゃを見つけたかのように言った。