第5章 jackal
漸く唇を離してくれたかと思えば、石切丸はするすると私の首筋に唇を当てながら移動させていく。
「主のすべてに口づけたい」
そう言うと、湿った口内に胸の先端を納めた。
「ぁっっ!!」
ちょっとばかし焦らされた感覚になっていた私は、わかっていたはずのその刺激にも高い声を上げてしまった。
それに気をよくしたのか、口内で吸い上げるように唇と舌を動かした。
「ぁっ、んんっ」
自分の声が抑えられなくなり始め、慌てて下唇を噛み、手で口元を覆った。
籠った声に気付いたらしい石切丸が、
「声を聞かせてはくれないのかい?」
顔を上げる。
「だ、て…誰か、聞こえ、ちゃう」
「大丈夫だ。私の部屋はこの本丸では最奥に位置しているし、その手前は出陣している三日月さんと小狐丸さんの部屋だ。私は今日近侍ではないから私に用があってもなくてもここまでわざわざくる男士はいないだろう」
だから安心して声を出しなさい、と私の口元から手をよけた。
「ぁっ…」
「そんな泣きそうな顔をしないでくれ。悪いことをしている気分になってしまう」
そう言って少し笑うと、今度は胸の下側に唇を落とし、そのまま下腹部まで進んでいった。
腰まで下ろされていたワンピースをそのまま下方に引き下げ、下着も脱がされる。
なんだかやはり恥ずかしくて膝を擦り合わせる私に、
「失礼するよ」
一言そう言って膝を割った。
「…っっ」
凝視される秘部。意識してしまうと、少し潤ったのが判った。
恥ずかしすぎる。思わず目を閉じてしまった私を知ってか知らずか。
石切丸は襞を指で広げ、露出させると、赤い粒に舌を這わせた。
「んっっやぁ」
ぬるっとした熱を感じて石切丸の頭に手を添えた。
わざとらしく舌を固くしてこりこり刺激を与えられ、
「ぁっ、あ、んっんぅぅ」
やはり声を出すのに少し抵抗があって、片手を口元に戻した。
「声を聞かせてくれないと君が気持ちよくなってくれているかがわからないよ」
顔を上げて悲しそうな目をする。そして、
「ひょっとして声を出させてもらえなかったのかい?」
疑問をぶつけてきた。
まぁそれもある。清光には朝だからと止められ、鶴丸のときは脱衣所ではともかく、露天では鶴丸の指示だ。
「かわいそうに」
言いながら親指でするりと粒を撫でる。
またも与えられる強い刺激。