第4章 解けない魔法
何度もイかされ、湯船のなかで鶴丸に頭を預けくてんと力を抜いていると、
「主、俺まだイってないぜ」
耳元で囁く。
その声にきゅん、と挿ったままの鶴丸を締め付けると、
「もうちょっと頼むな」
私の腰を掴み揺すり始めた。
「ぁっ…鶴、さ…」
パシャパシャとお湯が揺れる。
鶴丸の頭を抱き締め胸に押しつけ、なかに挿っている鶴丸を感じた。
「主っ苦しい」
「ぁっ、ごめ、な…」
「んっ…」
力を緩めた私のなかで鶴丸が果てた。
「主」
頬を撫でる鶴丸の掌。
目を閉じると柔らかく口づけてくれた。
「さてと」
私を抱き上げたまま湯船から出て、鶴丸が抜け出すとなかから大量のお湯と鶴丸のとが混ざったものが流れ落ちる。
「ぁっ…」
その感覚に頬に熱が集まるのを感じていると、
「もう一度洗ってやろう」
下腹部を中心に丁寧にまた鶴丸が洗い流してくれた。
「主…」
「?」
「最高に気持ちよかったな」
驚きの相性だ、と笑う。
「そして本丸がすごい力で満たされてるぞ」
嬉しそうなその鶴丸の表情に力なくへらっと笑い返すとまた激しい睡魔に襲われた。
「どうした?」
「…眠、い」
目蓋が落ちそうだ。そして頭がガンガンする。痛い。
立ったまま鶴丸にしがみつきうとうとする私に、
「部屋までがんばれ」
身体を拭いてとりあえずさっき脱がせたワンピースを1枚で着せると自分も素早く着衣を整え、フラフラの私を部屋まで引っ張っていってくれた。
部屋につくなり畳に倒れこむ私を慌てて支え壁に背を預けて脚を伸ばし膝枕をしてくれる。
「主、大丈夫か?」
鶴丸が心配そうに聞いてくれるが返事はできそうになかった。
私の頭をずっと優しく撫でてくれているようで、とても心地よい。
夢現の状態で部屋に誰かが入ってきたような気配を感じた。
「鶴丸殿」
「よっ、小狐丸か。どうした?」
「いや、本丸の力が急に強まったので気になってしまったまでです」
ふたりが話している声が聞こえる。
「あぁ。俺が主と夜まで共にいたくてな、わがままを言って無理させた」
「そうですか。…やはりとても体力と精神力を使うようですね」
「だな。急に寝落ちるから驚いた」
「この程度で済めばよいのですが」
撫でる手は変わらない。
もうこれ以上は脳が拒否し、深い眠りへと落ちていった。