第4章 解けない魔法
陸奥守に誘われ、近いうちにまた夜にお邪魔することになった。
今度は私もお酒を提供しようと、いくつか用意して審神者部屋に隠してある。
とりあえず昼過ぎに時間がとれて本丸に出向いた私を、いの一番に見つけたのは鶴丸だった。
「主じゃないか。仕事か?」
「うんまぁ、時間できたから様子見。今日はどの部隊ももう帰ってきてるし、手入れも済んでるみたいだし」
清光との以降毎日通ってはいるものの、そういう流れになったことはない。
毎日通えば本丸は通常運行はする。
ただやはり石切丸の言っていた通り少し手入れが必要となる男士が出るようだった。
私が行かない日には重傷者もでていたらしいからそれよりはマシかもしれないけど。
それでもやはり傷ついて帰ってくるのを見たり聞いたりすると胸が痛む。
そんな私を知ってか知らずか、
「今日はどのくらいいられるんだ?」
「こっちには1時間くらいかなぁ」
答えると鶴丸は難しい顔をして悩んでいた。
「…なぁ、俺はきみともっといたいし、夜まで居られればまた酒を共に呑めるだろう?俺がきみを抱けばそれが可能になるんだよな?」
「…なる、けど」
今からならこちらで夜中まで過ごすことができるし、男士たちが本当に怪我をしなくなるのか確かめてみたい気持ちもあった。だけど…それには…。
「ならば善は急げだ。きみに驚きの快楽を与えよう」
私の手を引きバタバタと審神者部屋へと走っていく。
「ちょっと鶴さん!?」
部屋に入り襖をきっちりと閉めると私に向き直り、
「主、抱きたい」
はっきりとそう言った。
そして拒否する間もなく鶴丸が私を抱きすくめ口付けてくる。
「っ、ちょと!!」
「何もしなくていい。俺に委ねろ」
言いながら私の服を脱がしにかかる。
必死で抵抗しながら、
「汗、かいてるしっ」
「ならば風呂へ行こう」
訴えた私の脱がせかけた服を戻し今度は風呂場へと向かって手をひく鶴丸。
風呂場へつくと、どこから持ってきたのか清掃中の札を入り口に掛けた。
「これで誰もこない」
そう言うと脱衣所で私を丸裸にし、自分も白い内番着を脱いだ。
裸のまま私を抱き締める。
その肌の温もりに胸の鼓動が早まった。
「汗とか、どうでもいいな」
そういって脱衣所で私の身体を貪りはじめる。