第20章 Don't worry,don't worry
「昔ね、日本がまだ出来た頃、天照大神は知っている?」
「あ、はい」
確か日本の神様のトップ。
「天照大神がね、弟の素行に腹を立てて岩の洞窟に閉じ籠ったんだ。でいつまでも出てこない天照大神を仲間の神が宴会をして誘い出したっていう伝説があるんだよ」
それにちなんだということか。
「石切さんが天照?」
「まぁ、そうなるね。恐れ多いけど」
「なら無事出てきてくれたので、集まって正解ですね」
偶然が重なったとはいえ、私にとってはこれ以上のことはない。
「すまなかったね」
言われて首を横に振った。
「逢いたかったよ、慧さん」
石切丸の右手が私の肩の傷痕に触れる。
「今夜はこの傷痕に口づけてもいいかい?」
「…えと」
戸惑う私を無視して石切丸の唇が触れた。
くすぐったい。
目を閉じてしまった私に気づいたのか、傷痕を舌でなぞる。
「っ…」
「感じているの?」
ピクンと揺れた私の腰に手を回して引き寄せた。
「ちが…」
抵抗する唇を石切丸の唇が塞ぐ。
荒っぽく熱く絡まる舌。
石切丸の大きな掌が胸を掴んだ。
「んっ…」
「早く抱きたい。中に入ろうか」
そう言って私を湯船から引きあげた。
身体を拭いて、ベッドにもつれあうように倒れこんで。
手首を押さえつけられて唇を吸われた。
お互いがもう裸の状態。片手で両手首をまとめ、胸を愛撫する。
唇から離れた石切丸は、そのまま首筋を舐めて乳首へと進んだ。
「ぁっ!!!」
「たくさん声を聞かせて欲しい」
言いながら乳首を口に含み舐る。
「んんっ」
暫くそうした後、私の身体中を舐め回すかのように唇でなぞり、膝を割ってその中央にも口づける。
「ぁっいしき…っっ」
「あぁ、甘いね」
くちゅくちゅと音を立てて刺激し、果てた私に、
「指と私どちらが欲しいかい?」
今までの石切丸からは想像できないようなストレートな言い方。
「っっ…石切、さん」
返した私に、
「きつかったらごめんよ」
指で慣らしていないそこへぎちぎちと挿ってきた。
「んっ…」
充分なほど潤ってはいるが、まだ柔らかくなりきっていなくて、少し痛い。
唇を噛んで耐えていると、まだ浅い位置で往復し始めた。
「やはりきついね」
言いながら口づける。
そして漸く最奥にたどり着いた。