第20章 Don't worry,don't worry
「あぁ温かいね」
「んっ、石切…さんっっ」
ぎゅうっと石切丸の身体に腕も脚も回して抱き締めた。
「うーん。動けないなぁ…」
「いいの。しばらくこうしててください」
困ったような石切丸に、抱き締める腕も脚も緩めてあげられなかった。
「慧さん?」
「寂しかった…」
抱き締めて涙を流す私に、
「ごめん。どうしても慧さんの痛そうな顔が見てられなくて…ただ、私の力も相当強いはずなのだけどね、慧さんの力もかなりのものだったから…」
私が弱い人間だったらそんなに霊力を使わなかった。
ただ、付喪神様たちに愛されて、毎日のように審神者力を高めていると、石切丸の強い霊力を持ってしてもかなりのものだったと三日月に聞いた。
「ごめんなさい」
「いいや、いいんだ。きっと私がしなくても誰かが必ずそうしていただろう。だとすれば、慧さんにこんなに心配かけたけどずっと思っていてもらえた私はとても幸せ者だよね」
「ぅぅーっ」
くちっと石切丸が動き、身体が跳ねた。
「嬉しかったよ。ずっと指輪を外さずに待っていてくれたなんて」
少し腕を緩めると、石切丸が口づけてくれる。
「父親の立ち位置ではなくなったかな?」
「…いえ」
こうして身体を張って守ってくれるあたりやはり父親感が拭えない。
「そうか…それは残念だが、女の子は自分の父親に似た男性を好きになるというし、だとすれば私が慧さんの好みになるのかなとは思うのだけど?」
私のなかをゆっくり往復しながら言う。
「…まぁ、そう言いますよね」
そういう部分では頼りになるし好みのタイプだと言ってもいいのかもしれない。
「さて、そろそろ本気で啼かせたいのだけど、脚を緩める気は?」
「ありません」
意地を張るとそのまま石切丸が腰を振り始めた。
力では確実に押し負ける。
振動と快楽で緩み始めた私に、石切丸は更に強く刺激を与えてきた。
「あっ!!やっ、んん!!!」
結局石切丸に膝を押さえつけられて、抱き締めることすら出来ない体位にされてしまった。
「も、あっ!!イくっ、ぅぅ」
シーツを握りしめて達した私に、
「ははっ、本当に可愛いね」
まだまた余裕そうな石切丸が笑う。
「あとどのくらい慧さんを啼かせたら気が済むか自分でも判らないよ」