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夢より素敵な 3.5次元

第19章 Get your Dream


「…強いて言うなら長曽祢さん」

「はぁ!!?」

一斉に全く関係のない長曽祢に視線が集中し、殺気に気づいたのか肩を震わせてこちらを振り返った。

「長曽祢さんあんた慧に何したんだ?」

「贋作の分際で」

和泉守と蜂須賀が言ったが、

「え!は?俺慧ちゃんに何かしたか?」

「いいえ何も!!」

ビビりながら聞いてくる。もちろん長曽祢は何もしていない。

「なんで長曽祢さんなの!?」

清光が食ってかかるが、

「あー、えっと、父親として頼りになりそう…」

私の言葉に

「それなら、私なのでは?」

石切丸が言った。だけど、

「じゃなくて子どもの…」

言うと、その場の全員が溜め息をついた。

「慧ちゃん、それはダメだよ」

清光がやりなおしーと長曽祢を却下し、

「長曽祢さん、もう用はない」

勝手に巻き込まれた長曽祢を和泉守が打ち切った。

ごめんなさい。

「…そもそも私結婚してるし」

ぼそりと言うと、

「そもそも論はいらないの!慧ちゃんの好みのタイプを聞きたい訳!!」

清光が声を荒らげた。

「…言わない」

やはり居心地が悪くなってしまって食器を重ねて立ち上がった。

洗い場まで運び、片付けていると、

「どうなった?」

そこにいた薬研が聞いてくる。

「どうもこうも。誰得企画なの?あれ…」

溜め息しか出ない。

「さあな。みんな慧のことが気になるんだろ?俺はどうだ?」

「あー…薬研も犯罪感がね」

「犯罪って何だよ」

薬研が笑った。

「ねぇ薬研、今時間ある?」

「大丈夫だが、どうした?」

「あれ、やって欲しい」

腰に手を当てながら言うと、

「いいぜ」

私の手を引いて広間まで戻り空いている場所に座布団を何枚か重ねて並べた。

大人しくその上にうつ伏せになった私にやけに突き刺さる視線。

「何が始まったんだ?」

「判りません。寝るのでしょうか?」

それぞれに疑問符が上がっている。

それが判ったらしい清光、鶴丸、光忠は揃って小狐丸に目を向けた。

うつ伏せの私の腰に手を当てて撫で回している薬研を見て、

「ほんとに何?見てていいもの?」

「ねぇ、他の男士って薬研さんなの?」 

安定と堀川の疑問に、

「ちげーわ」

さすがに薬研も耐えかねて否定した。
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