第19章 Get your Dream
着付けてもらったあとシーツを洗って干している私の後ろでのふたりの言い合いはまだ終わらず、それに気づいた鶴丸が、
「何の揉め事だ?」
寄ってきた。
「ねぇ!慧ちゃんと結婚するんなら俺だよね?」
「いいえ私でしょう?」
鶴丸にふたりが聞いたが、
「いや、それは俺だろう」
やはり面倒なことになってきた。
黙々と洗濯を続けていると、
「鶴丸はダメだよ。慧ちゃん壊れちゃうし」
「そうですね。肉体的にも精神的にも疲れさせてしまいそうですしね」
清光と小狐丸がNOを出した。
「なっ!じゃあ他の奴らにも聞こうじゃないか」
私が洗い終わって外に干すのを待って3人で引きずっていく。
そして朝食前でいちばん多く男士が集まっていそうな広間につくと、同じ質問を投げ掛けた。
それに対する答えは、
「それなら僕だよ」
「いや、俺だな」
「私でしょう?」
それぞれが自分を推してき始めた。
「私ご飯食べたい」
「食べながらでいいからちゃんと話をしようか」
顔は笑っているのに目が笑っていない石切丸が言った。
その話に食いついてきたのは3人を筆頭に石切丸と三日月、光忠、長谷部、厚、大般若、一期、蜂須賀、和泉守、安定と物吉、堀川だった。
総勢15人のそのメンバーで私を囲むように食事を摂っている。
「そもそもきっかけは何だったの?」
安定が聞いてきた。
「あー…小狐丸が私と結婚したいって言ってくれたから私もって答えたんだけどね、冷静に考えて今保留中」
かいつまんで説明した。
「でだ。なにゆえ私もと答えたのだ?」
三日月が質問してくる。
「…なんだか溺愛してくれそうだったから」
口に入れたご飯を飲み込んで答えると、小狐丸の顔がぱあっと明るくなった。
「もちろん溺愛致します!!」
言ってくるが、今度は石切丸が、
「保留にした理由は?」
「…常識がなさそうだったから」
正直に答えるといつものごとく小狐丸はしゅんとしてしまった。
「でね、俺はって聞いたらちょっと濁されたんだよね」
清光が刺々しく言ってきた。
「なんで?」
「清光は束縛されそう」
全部私の主観だからね、と付け足しながら言った。
その言葉に安定が笑った。
「で、俺も聞いたらな、精神的肉体的に疲れそうだからダメだと小狐丸と加州に言われた」