第18章 Show Me The World
走って戻ってきた堀川は息が全く上がっていなかったがどこか興奮しているようで。
「凄いです!!今聞いてきた本丸の男士さんは3人ともそうだって言ってました!!」
目をキラキラさせながら言ってくる。そして、
「うちは清光さんだけなんですって言ったら、そんなわけないって言われたんですけど…」
期待を含んだ目をして見つめてくる。
私はすかさず堀川に背を向けて歩き出した。
帰る。もう、帰る。
早歩きで進む私に、堀川が駆け寄ってきて、
「ねーねー、僕ともいいってことでしょう?」
鼻息も荒く言ってきた。
「堀川やめなよ。主が困ってる」
清光が助けてくれようとしたが、
「清光さんは主さん独り占めできなくなるからそう言ってるんじゃないですか?」
堀川は聞く耳を持たない。そこへ光忠が後ろから私の胸元に腕を巻き付けるようにして抱き寄せて、
「僕もだよ」
言ってしまった。
真っ赤になって俯く私に、
「え…えぇえぇええええ!!!!??うそ…嘘だよね?」
堀川が聞いてくる。
「嘘じゃないよ?言ったでしょ?僕の方が加州くんより彼女を思ってるって。そういうことでもあるんだよ」
思考停止してしまったのかパニックなのか、堀川はブルーの目を見開いたまま固まっている。
「他にもいるよ?関係持ってる男士。秘密だけど」
清光はそう言って私の手を引き歩き出した。
光忠も反対隣に立ち手を繋いでくる。
「いいの?言っちゃって」
「いいよいいよ。どーせバレるだろうと思ってたからねー」
確かに鶴丸とっていうのは大倶利伽羅にはバレてるし。
「だけど…」
「じゃーあ」
清光は堀川に向き直ると、
「主とどうにかなりたいんだったら三日月の許可、とりなよねー」
言い放った。ここで使うんだ、その名前。
「…三日月さん!?え!ムリ…」
堀川は三日月を無意識下で怖がっているタイプの男士かもしれない。
「じゃあダメだね。てか、主に無理矢理手を出したら確実に気が乱れてすぐバレちゃうらしいから」
清光が釘を刺した。
「そんなぁぁ。えー、なんで燭台切さんはいいの?許可とってるの?」
「もちろん。だから今日彼女寝不足だったんだよ」
あーあ。そこまで言っちゃうんだ。
もう私生きてけない。