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夢より素敵な 3.5次元

第18章 Show Me The World


昼寝から覚めて、清光とふたりで出かける予定だったのに、なぜか後ろには光忠と堀川がついてきている。

「おかしくない?」

「私言ってないよ?」

お互い顔を見合わせてると、

「絶対ふたりで出掛けるだろうと思って張ってた」

堀川が言った。

「あ、慧ちゃんまた左手につけてる!!」

光忠が咎めて私の左手を取る。

「つい癖で…」

返しつつも外させてたまるか、と手を握ると、

「もう!」

光忠が少し不機嫌になった。

「いいじゃん、左手で」

「…なんか石切丸さんのお嫁さんだと思っちゃうんだけど」

不満そうに光忠は言うが、

「…私は昨日の光忠が意地悪だからあまり好きじゃなかった」

「そうだよー!慧ちゃん寝不足だからもう!」

清光がキレる番だ。

「どういうこと?」

堀川が首を傾げる。

「昨日は光忠が慧ちゃんを…!!」

言おうとしてやめた。

「とにかくっ!!慧ちゃんは俺のなの!」

清光が私の手を引いて引き寄せた。

「慧ちゃん行こう」

少し歩みを早めて光忠たちから離れようとしてくる。

甘味処につくなり、

「ふたりです!」

清光が言い切って案内してもらった。

光忠と堀川は少し離れた席に案内されている。

「…一緒じゃだめ?」

清光に聞くと、渋々光忠たちを手招いてくれた。

四人で頭を突き合わせて何を食べるかメニューを見つめ、

「私パフェがいい!!」

指をさすと、

「晩御飯食べられるの?」

光忠が言ってくるが、

「今日は光忠の話は聞きません。パフェにします。ねぇ清光パフェ食べてもいいよね?」

「そうだねー」

清光は私に乗っかってくれた。

「何したんですか?燭台切さん」

堀川が聞いたが、

「僕には思い当たることがないんだよ」

困ったように光忠が返す。どうやら光忠は男前ではあるが女心が判るタイプではないようだ。

「すみませーん、パフェください」

私は無視して先にパフェを注文した。

光忠はコーヒー、堀川はあんみつ、清光はお団子を注文して、出来上がりを待つ間に、

「ねぇ、僕何をした?」

「…みんなにせっかく買って貰ったのに全部外させた」

と言っても髪留めと指輪だけだが。

「っ、それで怒ってるの?」

「だけじゃないけど」
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