第17章 Signalize
そう言われて大倶利伽羅は私の手を振り払うように離し、
「また、な」
目も合わせずに去っていってしまった。
「伽羅さん、ありがとう!楽しかったです!」
背中に向かって叫ぶと、少し右手の指が反応した。
「どこに行ってらしたんですか?」
「ふふっ、秘密」
言いながら縁側に上がると、
「そうですか」
少し残念そうな顔。
「伽羅さんが教えてもいいって許可してくれたら教えるね」
「はい。お待ちしてます」
そう言って私の手を取った。
「本日は私ですが、大丈夫、ですか?」
「…はい」
見つめられて恥ずかしくなって目を伏せた。
一期に手を引かれながら廊下を進み、隠された寝室へ。
「一期さんは初めて、だったよね」
「はい。お邪魔します」
そう言って部屋に入ると、
「慧さんらしいお部屋ですな」
褒めてくれたが、ここにあったままだ。私の私物が少しあるくらい。
「あの、まだ時間ある?」
「ありますが…どうされました?」
「お風呂、入ってきてもいい?」
起床後には一度入っていたが、やはり汗ばんだ肌を晒すのは抵抗がある。
「…私はそのままで構いませんよ?それよりも後で私と入りませんか?」
「っ…」
一期はそう言って私の身体を抱きすくめる。
抵抗せずにいると、
「では、このままで」
そう言って私をベッドに押し倒した。
スプリングに驚いたのか身体を起こし、
「弟たちに見つかってしまったらおもちゃにされそうですな」
目を細めながら言う。
やはり一期はお兄ちゃんだ。
私を見下ろす優しい瞳。
「本日は外ではないので、存分に慧さんの身体を堪能できます」
そう言って私に口づけてきた。
今度は抑えられない沸き出してくる欲望を我慢しなくてもいい。
そう思うと一気に感情が昂り、私も一期の頬に手を添えて口づけに応えた。
絡まる舌は熱い。
「っ、はぁ…」
「慧さんのキスは男を狂わせますね」
一期が言うが私は何もしていない。むしろ狂わされてるのは私の方だ。
「っ、一期さ…」
「そんな目を先程まで大倶利伽羅殿にもお見せしていたのですか?」
「…して、ない」
「確かめても?」
そう言うと、私の着物を脱がし下着の中に手を差し入れてきた。
「濡れて、ますぞ?」
「ぁっ、一期さんの、せい…」