第16章 Real love
厚たちを追い出して、
「にっかりありがとね」
清光が言った。
「いいや、僕は以前慧を怖がらせてしまったからね、罪滅ぼしをしたまでだよ」
「でも助かった。気づいたら慧ちゃんが居ないんだもん。俺には気の変化とか判らないから…」
少し悔しそうに清光が顔を歪める。
「判らないほうがいいかもしれないよ?」
にっかりは判りすぎる故の苦悩を抱えているのだ。
「さぁ早く慧を浄化してあげなよ」
「言われなくても」
私の手を取って立ち上がると寝室へと向かった。
私の着物を脱がせて風呂場に連れて行くと、丁寧に全身を洗って、そして湯船に浸からせる。
「何で触らせてるの?」
「…だって、拒めない…」
「そ、か。そうだよね。ごめんね、俺が守るって言ったのに」
イラついていたはずの清光が急に大人しくなった。
「俺、慧ちゃんの役に立ててる?」
「うん」
清光は心配そうに聞いてきたが、肯定しかできないし。
「私は清光がいるからここに居たいの。清光がいないんなら来ない」
言いきると、
「そか…」
少し表情が明るくなった。
「今夜はちょっと酷くしてもいい?」
お湯の中で私を抱き締めながら聞いてくる。
「いいよ」
「じゃあ…」
清光が私に口づける。
「ここでシてもい?」
「…ぅん」
キスをしながら清光の掌が私の身体を撫で始めた。
「っ、ん」
すぐに気持ちが昂ってしまうのは、もう仕方がない。
私からも清光の唇を貪り、清光の身体に手を這わせた。
清光の身体は薄い。それなのにどこにそんなパワーがあるんだろってくらい強い。
鍛えられた筋肉に手を伸ばし、なぞる。
「慧ちゃん、なんか変な気になっちゃう」
「そのつもり、でしょ?」
言いながらまた口づけて清光の身体を撫で回した。
「慧ちゃん、もう挿りたい」
「うん」
清光にしがみつくように抱き締めて、自らなかに取り込んだ。
そのままゆるゆると腰を振る私に、
「慧ちゃんがしてくれるの?」
「そう」
清光が優しい瞳を揺らした。
清光にしがみついたままキスをして、お湯を揺らしていると、私の方が一方的に気持ちよくなっている気がしてしまう。
「清光、気持ちい?」
心配になってつい聞いてしまった。