第16章 Real love
「やっ、薬研!?」
「えぇっ!?」
パニックになっている厚たちを煽るかのように舌を捩じ込み掌を動かしてくる。
「ぁっ、薬研…」
それ以上は拒めなくなる…。
「っ…ん」
落ちる寸前までになりかけた私から唇を離し、
「えっろい顔」
薬研のキスで蕩けた目をしているのだろう、私に言ってきた。
「薬研、ダメだよ…」
この子は付喪神に迫られたら私が拒めなくなるのを知ってるんだった。
厚と物吉は完全にフリーズしてしまっている。
「今度は俺ー」
まだ意識のはっきりとしていない私にかめきちを持たせた浦島は、後ろに回り込んで両手で鷲掴みにしてきた。
「っっ!!」
「わぁ、柔らかっ!兄ちゃんたちの筋肉となんか違う!」
むにむにと掌を動かす浦島。私の手の上では興味なさそうにかめきちが欠伸をしていた。
「う、らしまくっっん」
結果拒めなくて必死で耐えていると、頭の中に浮かんだ三日月の声。言葉。
思わず、
「みか…」
名前を呼ぼうとしたところに、
「君たちは一体何をしているんだい?」
刀に手をかけたにっかりの姿。
「そんなことをしていると本丸の気が狂ってよくないものを引き寄せてしまうよ?」
浦島に、半泣きの私から離れるようにと目を光らせた。
「こんなに狂わせてしまったら戻せるのは加州さんだけなんだよ?君たちは加州さんに慧を抱かせる口実を作っているようなものだけど、それでいいのかい?」
かちりと刀を抜く音が聞こえる。
「にっかり落ち着け。慧の前だ」
薬研が止めようとしたが、
「僕と真剣で手合わせするかい?」
引く気はないようで、更に過激な事を口にしている。
「にっかりさん、刃物はだめ。私はもう平気だから、ね」
宥めるように言うと刀を鞘に納めてくれた。
「ありがと」
「そんな蕩けた目で平気だと言われても説得力は全くないけど」
にっかりは不満そうだ。
「加州さんを呼ぶかい?」
「呼ばれなくてももう来てるし」
にっかりの声に清光の声が被さった。
「なんでみんなで慧ちゃん苛めて遊んでんの!?」
「別に苛めてたわけじゃ…」
「興味と好奇心ってやつだよぅ」
厚と浦島が反論する。
「おっぱい柔らかかったでしょ?でも俺のだからね?今後一切触るの禁止!慧ちゃんも触らせたらダメ!」