第16章 Real love
「物吉くんはあの有名な徳川家康が死ぬまで大事にした脇差なんだよね?連れてでると負けなし!」
「そうなんです!わぁ、ボク嬉しいです」
よしよし、私の知識も少し板についてきた。
まるでテストのような気分だけど、また勉強してこなきゃ。
「でな、慧」
「ん?」
3人で盛り上がりながら食事を摂っていたのだが、急に厚が声音を変えてきた。
そして私の耳元に顔を近づけると、
「オレらにも触らせてくれないか?」
小さな声で言ってきた。
「何を?」
「これ」
私の胸元を指差す。
「は?なんで…」
「ボクも、触ってみたいんです…」
物吉は真っ赤な顔をしながら言ってくる。
瞬間広間に目線を向けると、目が合ったのは堀川で。
やはりあいつが純真な男士たちにいらないことを吹き込んだんだな、と睨み付けてやった。
「ダメか?」
「…ダメじゃないけど、ここだと、ね」
言った私に、
「じゃあ慧の部屋ならいいか?」
厚がどうにも食い下がってくる。
「判った。後でね」
小さく溜め息をつきながら許可した私に安心したような表情をするふたり。
よくもまぁそんなこと言ってこれたよね。堀川は一体何て言ってそそのかしたんだろう。
食事が済んで部屋に戻る私についてきたのは厚と物吉だけでなく、なぜだか薬研と浦島もいる。
「増えてない?」
「倍になっただけだ」
しれっという薬研。
「俺はまだ治療費もらってないしな」
「慧ーかめきちまた触らせてやるよ」
なんでだか断れない理由をつけられて、受け入れざるを得なくなってきている。
胸を触らせるだけのはずなのだけど、いくら私とそんなに身長の変わらない男士たちだとしても、なんでだろう、このこたちもちゃんと男の子なんだなぁ。
「じゃあ厚。掌動かさないでね」
厚の両手首を掴んで胸に押し当てた。
「ゎ…ぁー」
みるみる赤くなる厚の顔。
「そんな?ただの脂肪の塊だよ?」
言いながら厚の手を離し、今度は物吉に同じことをさせた。
「あっ、え?慧ちゃん…わぁ柔らかい」
思った以上の反応に私の方が恥ずかしくなってしまう。
「はい終わり」
物吉の手を離した私に今度は薬研が近づいてきて、
「さすがに加州の前じゃ出来ないからな」
そう言って私の胸を掴みながら口づけてきた。