第16章 Real love
「例えば?」
「っ、好きってすぐ、言っちゃう、し、みんなの好き、が拒め、なくなる」
もう無理限界。
鶴丸の背中に爪を立てて絶頂を迎えた私に、
「今のもそうか?」
「っ、そう。あぁっ!!」
イくのが止まらない。
「心も身体も全部素直になっちゃうのか」
「んっ、鶴さ、ん。気持ちぃ、やだぁまたっ」
「だからって、慧」
イきすぎだ、と宥めてくれたけど、もう。
「だめっ、やだぁぁぁっっ!!」
イくことを止めることが出来ない。
感じすぎてしまう。
「慧っ、好きだぜ。愛してる」
「あっ、っ私もっ、鶴さん、好き!好きぃ」
強く抱き締めて脚も巻き付けた私に、
「愛してるは言ってくれないのか?」
なかがぎゅうぎゅうと鶴丸を締め付ける。
「あっ…愛、してるっ」
やはり拒めない。
その言葉に鶴丸が嬉しそうに微笑んだ。
「俺ももう、イくぜ?」
「あっ、早く、も、だめぇぇ」
鶴丸を強く抱き締めて果てた。
「今なら慧を素直に操れるってことか?」
「操ら、ないで」
ピクピクと震える私に口づけて、
「とりあえず早く行かないと加州がキレるな」
言いながらも笑って私を胸に当て落ち着くまで宥めてくれた。
「あ、も、鶴さん」
「俺も慧が好きすぎて止まらないんだ」
すまないな、と呟いた。
風呂から出て、とりあえず先程の服は着たもののなんとなく着物が着たくなって、鶴丸は自分の部屋に、私は審神者部屋に向かった。
また箪笥を開けて着物を取り出す。そしてまた教えられたように着付け、道場へと向かった。
そこには仏頂面の清光が立っていて、
「遅くない?」
なんて文句を言ってくる。
そんな清光に後からきた鶴丸が、
「すまん、欲情した」
軽く言うと、
「はぁ!?マジむかつくんだけど!!」
怒りに任せて木刀を鶴丸に投げて寄越す。
「真剣でもいいんだけどねー」
「慧がいるからやめとけ」
目付きの変わった清光を鶴丸が止めてくれた。
「慧ちゃん見ててよ?俺のが絶対カッコいいから!」
「なに、鶴丸国永に勝てるわけがないだろう」
言ってふたりが木刀を構えた。
私は道場の隅に座ってそれを眺めることにする。
やっぱり少し怖いけど。
乾いた音が鼓膜に響いた。