第16章 Real love
「そっかぁ。昨日石切さんが言ってたんだけど、私が言霊の契約を破って一回帰っちゃったからなんか体質が変わったのかもしれないって」
大丈夫。このこともきちんと思い出した。
「だから鶴さんのこと忘れちゃったり、なんか記憶が曖昧になったりしたみたいなんだけどね。道場行ったのも思い出したよ」
言うと、
「えー、やっぱ見に行ったの?いーなぁ。俺のも見て欲しい」
むぅっと頬を膨らませる清光に、
「なら、今から俺と手合わせするか?」
鶴丸の目が光る。
「いーよぉ?どっちがカッコいいか慧ちゃんに決めてもらおうじゃん」
清光がぴょんとベッドから降りた。
「じゃあ先行ってろ。俺は今から慧と風呂に入って着替えてから行こう」
「りょーかい」
清光はそう言うとトレーを持って部屋から出て行った。
私は鶴丸に言われた通り風呂に連れて行かれた。
「ここの風呂もいいよな」
「ねー。ほんと嬉しい」
「慧、来い」
腕を引いて膝の上に乗せ、
「キス、するか?」
少し上目遣い気味に聞いてくる。
「ん…」
鶴丸の肩に手を置いて唇を合わせると、鶴丸の掌が私の背中を心地よく撫でた。
そして、私の腰を掴むと、なかに堅くなったそれを押し込んでくる。
「あっっ、また?」
「あぁ。昂った。受け止めてくれ」
言うとお湯の中で始まる行為。
「ぁっ、鶴さん!」
「時間とか無視してやったらどうなるんだ?」
風呂の中で浮遊しそうな私の身体を押さえつけて突いてくる鶴丸が言う。
「っ、知らない…」
「加州とはシてるんだろ?どうなんだ?」
「あっ、あっ、やぁぁ」
「感じてないで教えてくれよ」
背中に腕を回して引き寄せ、口づける。
「んっやぁ」
「イきたいか?」
「あっ、イきた、ぃ」
蕩けそうな私に、
「なら教えろ。どうなるんだ?」
「っっ、あ、素直にっ、なる…みたい」
「なんだそりゃ」
刺激を弱められ、下唇を噛み不満を訴えると、
「イきたそうな顔」
鶴丸が笑う。
「前、なってたよ?満月の、日」
「あー、あれ満月のせいじゃなかったのか?」
「あと、一昨日…あの日は、そうなった」
答えた私のなかを鶴丸がまた刺激し始めた。
「どっちも伽羅坊がめちゃくちゃ素直だったよな」
「私、も、なっちゃうの」