第15章 kiss for all the world
部屋にあった小さなテーブルで食事を済ませた私に、
「もうちっと呑め」
また酒を満たした盃を差し出してくる。
「はい」
素直にそれを呑み干した私に、
「今夜は俺だ」
そう告げて手を引きベッドに押し倒してきた。
「ぁ…」
仕事だから仕方ないけど…。
固くなりかけた私に、
「大丈夫だ。俺はあんたの身体をよく知ってる。だから心配しなくていい。身を任せろ」
優しく口づけてくれる。
必死で力を抜こうとがんばる私に、温かい掌と唇で優しく触れてくれながら、
「慧好きだ」
口づけて舌を絡ませた。
「んっ、んぅ…」
慣れないキスに戸惑うが、大般若は離してはくれない。
着物を器用に脱がせ、私を裸にし、身体中に口づけてくれた。
「前に啼かせられなかったから、今夜は思う存分啼くといい」
私の乳首に舌を這わせながら大般若の長い指は私のなかにはいりぐちぐちと探っている。
「ぁっ、ぁっ、ぁっ、ぁっ」
小さく声を上げ続ける私に、
「もっとだ、慧」
「ひゃっっ」
私のなかの弱いところを集中的に触り始めた。
「やっ、だぁぁ、っっ大般若、さっっ」
ぽろぽろ涙を流しながら、
「ィくっっ、イっちゃ、ぅ」
訴えて果てる。
「よくイけたな」
私を褒めてくれ、唇に熱いキスをして、今度は私の膝を割り先程まで指で弄んでいたそこに顔を寄せた。
「あっ!!」
与えられる快感が先走り大般若が触れる前に声を上げてしまった私に、
「欲しがりだなぁ」
なんて言いながら舌を這わす。
「あ、ぁ、あぁんん」
「なんだぁ?もうイくのか」
小さく震える私にそう言い、舐めながらなかに指を突き立て、少し乱暴に刺激してくる。
跳ねる私の身体を抑えながら何度も絶頂に導いた。
「あっっ、大般、若さっっ」
「どうした?」
「もっ、やっ、おねが…」
「あぁ、こっちが欲しいか」
手を伸ばす私を抱き締めなかに挿ってくる。
何度も何度も激しく揺さぶられる身体。
「ぁっ、あぁ…」
「慧、慧」
私の名前を何度も呼ぶ。その声が心地よく鼓膜に落ちていき脳に染み込む。
「大、般若さっっ」
瞬間蘇る記憶。
「っあっ!ダメイっちゃう!やだぁぁ」
一瞬私と目が合った大般若は何か変わったことに気づいたのか強く抱き締め口づけてきた。