第15章 kiss for all the world
「もう、満足なのかい?」
問われて、小さく頷くと、
「なかでイくのは一回だけだよ?」
そう言って私のなかに突き立ててきた。
挿ってきた刺激でイきそうになるのを堪えながら、石切丸を抱き締めた。
「慧さん、それはわざとなのかい?」
「え??」
脚も腕も絡めて抱きつく私に石切丸が聞いてくる。
なんでだろう。こうするとみんななんでかちょっと慌てる。
「そんな風に抱き締められたら、私のほうがもたないよ」
少し困ったように石切丸が言った。
「あの、えと…」
割と無意識で離したくなくて、抱き締めてくれるから抱き締め返してる、というか…。
大人しく脚を緩めて下ろすと、
「それは、夜のときにしてね」
言って宥めるように口づけてくれた。
「ぁっ、あっ、ぁっ…」
石切丸の下で喘ぐ私に、身体を密着させてあまり酷くならないようにしてくれる。
「あ、もっ…あ、だめだめっっ」
しばらく揺すられゆっくりやってきた絶頂を訴えると、
「そうかい?じゃあ…」
最後にとんっと勢いをつけて最奥を突いてなかで終わってくれた。
「慧さんっ」
「石切さっっ、キスぅ」
ねだる私に、優しく口づけてくれる。
私にとって最後のキスが何より大事だ。
「も、気持ち、よか…た、です」
小声で報告すると、
「良かった。あまり負担になってないかな?」
「だい、じょぶ…」
答えながらも妙に眠たい。
「疲れさせてしまったかな。少し眠るといい」
私の額を撫でて、そこに口づけ眠るように促した。
なんだろう、ふわふわした気持ち。
いつもの睡魔とは違う。頭痛もしないし。
でもまぁ考えても判らないから、大人しく眠ることにした。
次のことは起きてから考えよう。
「おや、もうお目覚めかい?」
声に身体を起こすと、石切丸が隣で寝転がっていた。
「もう?」
「まだ寝落ちてから10分程度しか経っていないから…」
「あ、そうなんですか」
不思議だった。妙にすっきりとはしているし、朝よりも身体は軽く感じる。
「なんか平気みたいです。体質変わったのかな?頭も痛まないし…」
私が言うと、石切丸が少し困った顔をしながら、
「とりあえず汗を流そうか」
お風呂を勧めてくれた。