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夢より素敵な 3.5次元

第13章 まばたき


「なぁ慧、そろそろイっちゃいそうだ」

そう言われて口を離し顔を上げると、

「ありがとうな。気持ちよかった」

優しい目で私の頬を撫でてくれた。

その掌に自らすり寄りもっと撫でてくれと目を閉じると、私の腋に腕を入れ、引き寄せる。

「すまないな」

私を大般若の上に跨がらせ、なかに押し込んできた。

「ぁっ!!」

先程の愛撫と口淫で完全に潤ってる私はあっさりそれを受け入れてしまう。

座ったまま大般若の上で揺すられて、小さな快感が弾けた。

「あんまり気を遣るなよ?」

「…んっ、ぁっっ」

大般若の身体を抱き締めて、必死でイきそうになるのを耐えた。

大般若は多分私が一度達すれば終わるつもりなのだろう。

ならばせめてもう少しだけ繋がっていたい。

「キス、してもいい?」

「あぁ」

見つめて許可を取り、唇を合わせた。

切なくて涙が出そうだ。

「慧の気はあったかいな」

至近距離で見つめながらそう言ってくれる。やはり私が泣きそうなのはお見通しのようだ。

「イけそうか?」

聞かれて私は首を横に振った。

「そうか…じゃあもう少し」

唇を重ねてゆるゆると揺れる身体。

本当はすぐにでもイきそうだけど。

感情のブレは気を乱す。またにっかりを苦しめるかもしれない。

自分の中で腑に落ちない感情を抑え込んで、閉めた蓋の隙間から一粒零れ落ちた涙と共に私は絶頂を迎えた。

「ぁっ、ぁ…」

緩やかな快楽から強く締めた私のなかで大般若も放った。

「慧」

伝った涙に口づけて強く抱き締めてくれる。

「偉いな。よく頑張った」

褒めてくれて、涙が後を追うように流れていく。

「大丈夫だ。大丈夫」

トントンと背中を叩いて宥めてくれた。

大般若の落ち着いた声と心音で私の感情も落ち着きを取り戻そうとしている。

「寝るか?」

聞かれたが全く眠くはなっていない私は、首をまた横に振った。

「そうか。なら起きてればいいさ」

少し困ったような声。

「あのね、お昼食べたら短刀くんたちとホットケーキ作るの。大般若さんも食べる?」

抱きついたままぽつりぽつりと言葉を溢すと、

「あぁ。慧が喰わしてくれるんならな」

笑ってくれた。

「寝ないんなら風呂行って昼飯に行こうか」

促され私は大般若から離れる決心をした。
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