第12章 BE IN SIGHT
痛い。痛すぎる。もう泣きそう。
どうしようもなく、声を出しても助けが来ないと昨日にっかりが言っていたのを思い出してしまう。
つーっと涙が頬を伝い、ベッドに染み込んでいった。
そこへ、
「なんて格好なんだい、君は」
声がして目線を送ると、戦闘服姿のにっかりが立っていた。
刀に左手を乗せ私に近づいてくる。
「ぁ…た…」
痛いと伝えることすら出来ない。
横になっている私の側まで来ると、視線を合わせるようにしゃがみこんだ。
「帰ったら君の気があり得ないくらい乱れていたから様子を見に来てみれば…こういうときに限って三条さんだとかはいないだなんて」
私の髪の毛に掌を差し入れ、唇を合わせた。
にっかりの力が流れ込んできて、頭の痛みが引いていく。
ただしかなりしぶといらしく、にっかりが口付けをやめてもまだ偏頭痛程度の痛みは感じるほどだった。
「その格好、まだ戦をしたりない僕には目の毒だよ」
そう言うとベビードールを纏ったままの私をうつ伏せにし、四つん這いにさせる。
そして、右掌で私の両目を隠すように包み、左手は腰に。
私のなかに入ってきた。
「ぁ…っ!!?」
「慧目を閉じて、僕を感じて」
言われるがまま目を閉じると、にっかりが動き始めた。
「ぁ、ぁっっ」
「ふふっ、なんの愛撫もしていないのに挿るだなんて、どれほど愛されたんだい?それとももう君はいつでも準備ができてしまっているのかな」
ぐちゃぐちゃ音を立てて私を絶頂に導いた。
かなり激しく攻められて、半強制的にイかされた私のなかでにっかりも果てた。
私のなかから抜け出ると、
「もう目を開けていいよ」
許可をくれた。
身体を起こしゆっくりと瞼を開けたが、なにも見えない。
「え…!?」
瞼は開いているはずなのになにも映さない。
「ごめんね。慧の視力奪っちゃった」
更に痛む頭と、真っ暗な視界。
とんでもない恐怖の中に突き落とされたようだ。
「にっかり、さん?」
にっかりがどこにいるのかも判らない。
「君の目には僕だけが映ればいいのにね」
不安と恐怖で涙が溢れてくる私に、そう言って口付けてくる。
そしてカチャリと刀の音が聞こえた。
身構えた私の首に冷たい感触。
そして一瞬の間と僅か感じる痛み。
「いっそ斬ってしまおうか」