• テキストサイズ

夢より素敵な 3.5次元

第11章 Nameless fighter


「さすがにっかり青江だな。主の気に乱れを感じない」

にっかりはあっさり風呂に浸かり、どの隙間に入ろうかと戸惑っているうちに私は小狐丸に捕まって膝の上に座るように湯船に浸かることになってしまっていた。

そして、にっかりを褒める三日月。

「そんなことはないよ。僕だって主に狂わされそうだったんだ。必死だったよ」

謙遜しているようには聞こえるが、本心は判らない。

「いや、本当に誰よりも安定しておるぞ。昼間の行為では誰であれ乱れておったからな」

もちろん俺でもな、と三日月は言う。

「加州清光さんには敵わない」

「あやつに関しては主の思いの方が強すぎる。別次元だからな。羨ましい限りだ」

なんだか私が清光大好きみたいな言い方をされている気がする。

まぁ大好きだけど…。

少し居心地悪くなっている私に気づいたのか、

「ぬしさま、身体の具合はどうですか?」

小狐丸は私の腰回りを撫で回してきた。

「ちょと、くすぐったぃ」

「すこし、柔らかさが減りましたね」

と私の腹を指で押しながら言う。

「ほんと!?」

それは肉が薄くなったととっていいんだよね。

「最近ずっとお腹周り筋肉痛だったから、小狐丸みたいになれるのかなって思ってたの」

喜んだ私を、

「私みたいになってどうするのです?ぬしさまは柔らかいほうが好きです」

ぎゅうっと腕を回して抱き締めてきた。

「はっはっ、抱かれて筋肉痛とはな。本当に愉快だな、うちの主は」

三日月が笑った。

抱き締めたまま私の腹の肉を摘まんでいる小狐丸の手を押さえながら、

「ねぇここって私の部屋にしていいの?」

誰にともなしに聞くと、

「構わんぞ。まぁ、ヤリ部屋になりかねんがな」

「三日月殿!!」

また露骨な物言いを小狐丸が咎める。

「ヤリ部屋だなんて、僕にはできない表現だね」

にっかりは言っているが、この部屋に来た時点で同じようなことを言っていたような気がする。

「まぁ、ここでならぬしさまの心も身体も解放させてあげられそうですが…」

「いくら声を上げても誰も助けに来てくれないんだよ?ある意味恐ろしい部屋だと思うけどね」

ふふっと笑うにっかり。一体何をするつもりなんだろう…。

「それでも良いか?」

「…いいです。仕方ないです。他の男士の気配とか気にしてる方が嫌だし」

どうせなら素直に感じたい。
/ 341ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp