第10章 Beautiful life!!
「いいよいいよ、好きなだけ想像しちゃってー」
真っ赤になる物吉を清光が煽った。
「加州殿、やめてあげてください」
一期が咎めると、
「みなさんは動揺しないのですか?…大人、ですね」
物吉が言う。
「大人っていうか、ねぇ」
光忠がまた爆弾投下しそうになったから、
「光忠、酔ってるのかな?」
声のトーンを落として言った私に、
「主ー好きだぜ」
鶴丸が抱きついてきて、
「怒ってやるな。光坊だって言いたいときもあるんだ」
耳元で囁く。
「俺とはいつなんだ?」
「知らないよー」
ふたりでこそこそと喋っていると、
「また内緒話?」
清光が言う。
「内緒じゃないってば」
そう返してまたワインを口に含んだ。
「満月、ほんときれい」
見上げていると、頬に手を添え力をこめられ急に目の前に鶴丸の金色の瞳。
「俺の目にそっくり、だろ?」
「びっくりするじゃん」
「これが驚き、だ!」
ははっと笑った。そして、
「なぁ主、キスしてもいいか?」
なんて聞いてきた。
まばたきで頷くと鶴丸の唇が甘く重なる。少し湿った音を立ててしまうと、
「つ、鶴丸様!!?」
物吉がまた真っ赤になっている。
「俺と主で想像してくれてもいいぜ」
「わぁぁぁ。ボクもう失礼します!!主様おやすみなさい」
頭が追い付かなくなってしまったのだろう。立ち上がると逃げるように去って行ってしまった。
「鶴丸殿もからかわないであげてください」
一期が困ったような顔をしながら言った。
「あんたら何なんだ、さっきから」
大倶利伽羅が怪訝そうな顔で聞いてきた。
「加州とそういう関係ならその距離感は判るが他がおかしいだろう」
「だって僕たちねぇ」
「そうですね」
今度は光忠だけでなく一期まで爆弾を投下しようとしている。
「それにしてもほんとに満月ってのは気持ちが素直になるな」
気づいた鶴丸が話を反らしてくれた。
「主もう少し呑むか?」
聞いてくれたから持っていたワイングラスを差し出すと、
「サイズ感おかしいだろ。どんだけ呑む気だ?」
「ちょっとでいいってば」
お猪口2杯分くらいの量を注いでくれた。
それから少ししてパラパラとお開きになり、私は清光と私の部屋でまた抱き合って眠りについた。
さすがに昼間ほど激しいのは断ったけど。