第10章 Beautiful life!!
食事をしていた縁側まで戻ると、人数が増えていた。
「よっ俺らも混ぜてくれ」
鶴丸が日本酒を片手に手を挙げる。
「うん。乾杯」
隣に座って私のグラスと合わせた。
大倶利伽羅も近くまで来ている。
「あんた、ほんとにやったんだな」
「え?」
「厨。大変だったろ」
ぼそぼそと何か言い始めた。
「忙しいのにすまなかった」
そう言いきった大倶利伽羅に鶴丸と一期が顔を見合せそして笑顔になる。
「今の光坊が聞いてたら泣いて喜ぶな」
「…絶対に言うな」
言いながら私から顔を反らした。
「伽羅さん、私こそごめんなさい。ちゃんと仕事してなくて、待たせちゃって…」
「遊んでたわけじゃないんだろ?ただの…嫉妬だ」
「驚いた」
大倶利伽羅の発言に鶴丸がそう言ったが、驚いたのは私も一緒で。
「ちょっと伽羅ちゃん!?どうしちゃったの!?」
絶妙なタイミングで着替えの済んだ光忠が割り込んできた。
「っっ。今夜はなんかおかしいんだ!」
ぶっきらぼうな大倶利伽羅に、
「きっと満月のせいでしょう」
一期が返す。だからそういうことにしておこう。
「そういえば光忠、カレー大好評だったよ!光忠の案大成功だね」
「そうです!皆さんとても喜んでました」
「光忠殿のを用意してきましょう」
一期が立ち上がり、厨に取りに行ってくれた。
「伽羅さんが物吉くんは残しておいてくれたから助かったんだよー。ありがとうね」
そう言うと、
「そう言われても困る」
言いながら酒を呷った。
まぁそうか。でも困るって素直に言ってくれる大倶利伽羅が新鮮で、
「どうだった?カレー」
聞くと、
「…美味かった」
答えてくれた。
「すごいね、満月の力」
光忠が言い、私と清光は顔を見合せて笑うしかできなかった。
一期が用意してきたカレーを食べながら光忠は、
「主は今日も加州くんなの?」
なんて聞いてくる。
それは爆弾発言過ぎませんか?と返答に困っていると、
「いつも俺、だよねー」
清光が私の肩を抱き寄せながら言った。多分ごまかしてくれたんだと思う。
「なんかイラつくな」
大倶利伽羅が言い、
「やっぱり加州様と主様は…」
物吉があわわと顔を両手で覆っていた。
「なんだい物吉。想像しちまったのか?」
「そっ、そんなっっ」
言う物吉の顔は真っ赤だ。