第10章 Beautiful life!!
清光はお皿を用意してくれたりしながら手伝ってくれ、出来たのは大量の夏野菜の天ぷら。
そしてそうめん。
出来立てから食べてもらおうと、声をかけてもらった。
「つゆもいいけど塩もいいよねー」
調理担当ではないせいか、清光が調味料で遊び始める。
「当たりししとうあるかな?和泉守に当たれー」
子どもみたいに楽しそうにしていた。
無事調理の仕事を全うすると、
「お疲れ様です」
一期がグラスと天ぷらの載った皿を持って私たちを外へと促した。
「今日は満月なので私たちは贅沢に月を見ながら頂きましょう」
「うん、いいね」
月の見える縁側に座り、エプロンを脱ぐ。
清光にたすきを外してもらって、身体を伸ばした。
「以前主が長州のお酒とともに持ってきていたこのお酒、冷やしておきました。天ぷらに合いますか?」
そう言う一期の手には白ワイン。
「わぁ、絶対合う!すっごいお洒落!!」
「わいん、初めてです」
物吉が興味深そうに見ている。
一期がそれをグラスに注ぎ分け、四人で乾杯、と合わせた。
「おいしー。今日はすっごい忙しかったけど楽しかったぁー」
「ほんとだよね。主の感情の変化だけでもめっちゃ忙しかったもんね」
言われると少し恥ずかしい。
喜んだり腹を立てたり泣いたり笑ったり、そして幸せだったり。
「振り回してごめんっ」
手を合わせると、
「いいんですよ。言いましたよね?主が善だと」
一期が言った。そして、耳元でそっと、
「今夜は加州殿で問題ありませんでしたぞ」
伝えてくれる。
思わず一期の方を見つめると、
「はじめからそうでした。ですからお気になさらずに」
言って私の頭を撫でてくれる。
「ありがと」
「何々ー?内緒話?」
清光が割り込んできた。
「内緒じゃないよー」
「えー?教えて教えて」
「ふふっ」
そうして四人ではしゃいでいると、玄関が開く音が聞こえる。
「遠征部隊が帰ってきたよ」
反応した私の手を清光が取って立ち上がらせてくれた。
「お迎えですね!ボクも行きます」
物吉もついてきた。
「おかえりなさい」
声を張ると光忠をはじめ帰ったばかりの男士の表情が和らいだ。
「主さんっ」
堀川がダッと走ってきて私に抱きつき、
「会いたかったぁー。僕がいなくて寂しくなかったですか?」
なんて聞いてくる。