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夢より素敵な 3.5次元

第10章 Beautiful life!!


「少し眠らせようね。ツラそうだ」

そう言って布団を敷き私を横たえる。

「やってくれたね」

言う石切丸は困ったような喜んでいるような…。そんな声だった。

「主、大丈夫。報告は俺が代わりに聞いとくから、寝てていーよ」

「ぅ、ん」

無理やり起きておくのももう…。

「それでね、加州さん…」

石切丸が話し始めたけどもう意味は判らない。

目覚めたら教えてもらおう。




いつもの如く小一時間寝て目覚めると、部屋には清光とまだ石切丸がいた。

「おはよ、主」

「おはよ…」

割とスッキリした頭。だけどまだほわっと幸せな浮遊感。熱も出てる。

「身体は平気かい?」

「熱冷ましだけ飲みます」

「そうか。先ほど君に贈り物を見つけたのだけど後にしようね」

聞きながら報告書に手を伸ばそうとしたが、それを清光が阻止した。

「審神者の仕事もあーとで。主には別の仕事があるでしょ?」

そう言うと私に紐を持って近づき、浴衣の袖をたすき掛けにする。

そして、エプロン。

「これ着てね」

真っ白いそれを見せてくる清光はなんだか嬉しそうで。

「判った」

素直に受け取って着た。

「主は毎日新鮮な姿を見せてくれるね」

石切丸が言う。

「ふふっ、清光が居てくれてよかったなぁって思います」

言いながら頬に熱が集まる。

何かを発言する度に好きって感情が湧いてくる。

「じゃあ厨に行こうか。俺も手伝うし」

「あぁ。晩御飯、楽しみにしているよ」

私と清光を石切丸が送り出してくれた。

厨に入ると、

「主、野菜はこれで…」

言いながら顔を上げた一期は、

「エプロン似合いますね」

「主様可愛いです!」

物吉とともに頬を赤く染める。

「ありがとう…なんか幸せだなぁ」

そうだ。こうして私を慕ってくれる男士がいてくれて。愛してくれて。

「すごくすごく温かい気が流れてきます」

物吉はそう言って私に近寄ると、ふわっと抱き締めてきた。

「物吉、くん?」

珍しい。と驚いていると、

「ごっ、ごめんなさい!身体が勝手に!!」

慌てて離れた。

「私は嬉しいよ」

伝えると、

「主様!!」

物吉が笑顔になった。

「さぁ、早くやっちゃおう。私つゆ作るから、物吉くんと一期さんは野菜天ぷらにいいサイズに切ってね」

「はいっ」

とても気持ちいい返事が返ってきた。
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