第10章 Beautiful life!!
さて、すぐにでも昼食の準備に取り掛からないと間に合いそうもない。
出陣する部隊を見送ってから、再び厨に立っていた。
「とりあえず物吉くんはお米お願い。それから野菜を洗っておいて欲しいんだけど」
「わかりました」
その間に私は玉ねぎの皮剥きを始める。
量が多すぎて途中で飽きてきた。そこに、
「主様、いつもありがとうございます。ボク主様が本丸にずっといてくれるようになってからすごく調子がいいんです。幸運もたくさん運べている気がしますし」
「うん。物吉くんは本当に幸運運んでくれてるよね。最近うちすごいもん」
ここ数日の快挙、全部物吉のお陰ってことにしよう。
そしたらみんなも納得いくだろうし。
「何言ってるんですか。全部主様のお力なんですよね?ボク、温かい気で包まれてるのちゃんと知ってます」
おや?物吉も判る側なのかな?
「多分全員気付いてますよ。主様の気は温かくてとても優しいんです。だからみんな幸せで、みんな最大限の力が発揮できてるんです」
物吉はそう言いながら私が飽きていた玉ねぎの皮剥きの続きをしてくれていた。
「そっか」
なぁんだ。みんな判る側なんじゃん。三日月大袈裟なこと言いやがって。
「だから主様、無理だけはしないでくださいね」
「ん」
物吉の笑顔はとてもキレイだった。
とりあえず私は剥いた玉ねぎを端からみじん切りにし、鍋の中へ。
ほんとに給食のおばちゃんになってる。
切りながら炒めながら、とやっていると、
「主様ひとりでなんでもできるんですね」
物吉が感心したように呟いた。
玉ねぎを炒めるのを物吉に任せ、今度は鶏肉を切る。
私が切った食材を鍋に入れると物吉がそれをひたすら炒めてくれた。
「主、手伝いに来ました…」
一期がやって来た頃にはそこはすでに戦場。
「物吉くん、今度はカレー粉と小麦粉入れるから粉っぽさ消えるまで全力で混ぜてね!!」
「はいっ!!」
完全に熱くなってる私と物吉。
「あ、主?私にも何か…」
「一期さん!ちょうどいい。トマト刻んで!大量に」
「あ、はい」
採れたて完熟トマトをたっぷり入れてやるんだ。
物吉が、
「どうですか主様」
と確認をとってくる。
覗き込んでよさそうと判断し、今度はそこにコンソメと水を注いだ。
「焦げるからずっと混ぜててね」
「はいっ」
