第9章 大袈裟
「一期さんは、いいの?」
「何がですか?」
「…私と、こういうことをするの」
一期は私に対してどういう感情を抱いてくれているのかがあまり判らない。
慕っていると口づけてはくれたが、それとこれとは別問題だろう。
「三日月さんに言われたからなんでしょ?」
始めから事情を知っている清光たちとは違う。
大般若とはシてしまったから今更だけど、後から巻き込まれてしまった一期とにっかりは完全にとばっちり。いい迷惑だ。
「私は、許されるのであれば主を抱きたい」
金色の瞳は真っ直ぐそう伝えてきた。
「三日月殿から聞いたときは驚きましたが、主に触れる許可も頂き、こうして今その時が来ています」
「うん」
「形はどうであれ貴女を愛しても良いのであればこれ以上のことはありません」
そう言うと私の首の後ろに腕を回し、唇を合わせた。
噛みつくようなキス。
口づけながら一期は器用に私の着物を脱がせ始めた。
「ぁ、っと私着付けできないんだけど…」
「大丈夫です。私がしてさしあげます」
一期も着付けできるのか…。すごいなぁ、なんて感心していると、あっという間に肌が晒されていた。
外気に触れ、恥ずかしさが込み上げてくる。
「こんなところに所有印がありますね。妬けます」
指先で私の首筋に触れ、そのまま胸の膨らみを撫でる。
少し身体を丸めて先端に吸い付いてきた。
「んっ」
舌で転がすように愛撫され、身体の芯が疼く。
思わず一期の頭を抱き締めた。
それをよしととったのか、一期は更に乳首を舐り倒す。
「ぁっ、ぁ、んっ」
小さく喘ぐ私の胸を舌で愛撫したまま腰の辺りを右手で探り、下着を落とした。
胸から顔を上げた一期は、私の秘部に触れ、
「主、どうしましょう?」
聞いてくる。
私は返事もせずに一期の頬に手を添え、一期の唇を貪った。
一期の指が何度か襞をなぞり、そっとなかに差し込まれた。
「っん」
キスをしたまま籠った声を上げると、ぐちゅりとゆっくりかき混ぜられた。
思わず唇を離した私に、
「主、こんなになっているのでしたらもうすぐにでも良さそうですね?」
なんて聞いてくる。
「うん、大丈夫」
作業になるのは嫌だったけど、一期の負担になるのも嫌だ。
三日月に話して少し整理もついた感情。
そっと一期の股間に手を伸ばし、触れた。