第8章 矛盾という名の蕾
「さてどうする?俺はもう一回戦はいけるが?」
なかに挿ったまましっとりと汗をかいている大般若が言う。
「ぁ、大般若、さん…もっと、欲しい」
うつろな目で言うと、
「欲張りだねぇ。好きだぜ、そういうのも」
そう言うと私を抱き起こした。
「さぁ、今度は主が好きなように動いてくれ」
代わりに大般若が仰向けになり、私が見下ろすような格好だ。
「ほら、やってみろ」
促されて大般若の腹に手を置き、ゆるゆると腰を振った。
「んっ、ぁ、あっ、んっ」
動く度に快感の波が揺れる。
「気持ちいいか?」
「ぅん…気持ち、ぃ」
荒く息をつきながら少しずつもっともっと強い刺激が欲しくなってスピードを上げた。
「ほらよっ」
どのくらいか私が自ら快楽を貪っていると、大般若は私の股間に手を差し入れてクリトリスに刺激を与えてきた。
「やっ、あぁぁぁっっ!!」
突然の強い刺激に内腿を強く締めて達した。
「ははっ、またイったな」
くてんと身体を倒し大般若に抱きついた私をそのまままた揺さぶり始める。
「も、だめ、らめぇ」
「何がだめなんだか。あんたのなかはまだ欲しいって言ってるが?」
私を抱き締めて下から突き上げてくる。
「さて、俺もイこう。主もイきな?」
トントンと私の弱い場所に打ち込んで促す。
ぎゅうっと身体を強張らせた私にのなかでまた大般若も終わりを迎えた。
そして、
「今夜は俺のところで寝ていけばいい」
私から抜け出して布団に横たえる。
体力も何もかも限界の私は、もちろん断る術なんてもたず、そのまま目を閉じた。
そんな私を大般若の腕が抱き締めて包む。
「俺の主はとんでもない主だな。またこんなに力をだだ漏れにしちゃあ他の男士も滾って仕方ないだろうよ」
「だだ、漏れ?」
閉じた目をゆっくり開けると、
「おっともう寝る時間だ。もう目は開けちゃなんない」
そう言って瞼に口づけた。
「俺はあんたが好きだよ」
そう言って今度は唇に。
「ひと月と言わずもっと一緒にいられたらいいのにな」
その言葉が私の鼓膜に染み込んでくる。
そして、訪れた睡魔を拒むことなく私は眠りに落ちた。