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夢より素敵な 3.5次元

第8章 矛盾という名の蕾


「大般若さん、私です」

大般若の部屋には灯りが灯っていて、存在を知らせていた。

「あぁ、入ってくれ」

許可が出て障子を開けると、そこには既に布団が敷かれていた。

「えと…」

「まぁ、一杯やってからにしよう」

徳利と盃を用意し、酒を注ぐ。

どうしていいものか判らず大般若の前に正座をし、盃を受け取った。

「緊張してんのか?」

「…そりゃあ」

「生娘じゃあるまいし」

みんなやけにそれを言う。結局生娘の方が好きなんじゃないかって疑ってしまう。

「まぁ、ちょっと呑んでほろ酔いくらいの方があんたも気持ちが楽だろう」

確かに。

完全に素面よりはずっと緊張は解れるだろう。

しかし、二杯目、三杯目と流し込むと、

「大般若さんはー、ほんと男前ですよねー」

悪い癖が出始めてしまった。

もう一杯、と催促する私から盃を奪い取ると、

「酒の時間は終わりだ」

私の背中に腕を回して抱き寄せ、

「ここからは俺に酔うといい」

なんて言うから心臓が跳ねた。

「おや、急に女の顔になりやがって」

顎に指を添えて上を向かせると、優しすぎるくらいの口づけ。

やば。いろんなところに散りばめられてるギャップに心臓が持ちそうにない。

口づけをしながらパジャマのボタンに手をかけ上から順にはずしていく。

全てはずし終えて私の身体から取り去ると、敷いてあった布団に押し倒してきた。

「なんか言っとくことはあるか?」

「…生娘じゃあないので遠慮はいりません」

「ははっ面白い女だな」

笑うとまた口を塞ぎ、掌で胸を揉み始めた。

「あんた結構いいもんもってんだな」

「んっ、何?」

「びっくりするくらい柔らかい」

私の首筋にキスをしながらきゅっと吸い上げた。

「あっ、やだ!」

「すまない、つい、な」

思わず吸われた場所に手を当ててしまう。見えないからどうなってるのかもわからないけど。

「いいじゃないか。なんならもう二つ三つつけるか?」

ニヤリと口角を上げながら言う。

「…間に合ってます」

「そうか」

私の言葉に気のない返事をし、今度は唇を乳房へと這わせる。

両手で揉みしだきながらその片方中心を口に含んだ。

「っ」

ぎゅっと身体を強張らせ声を抑えた私に、

「我慢はしなくていいからな。むしろ声を聞かせてくれた方がいい」

言ってくれた。
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