第8章 矛盾という名の蕾
「挿れられるか?」
「…ぅん」
少し鶴丸のに触れながら自分のなかに導いた。
「挿ったな」
鶴丸の言葉に安心して、抱きついた。
そして自ら腰を振り始めた私に、
「主、そこまでしなくていい」
鶴丸が私を止める。
「そんな泣きそうな顔をして、やけくそみたいなのは俺が嫌だ。俺が主を気持ちよくしてやるから、ただ感じていたらいい」
言うと鶴丸が私に刺激を与え始めた。
「鶴、さん」
「なんだ?」
「ありがと、ね」
「何が」
鶴丸は優しい。いつもふざけてひっ掻き回してるように見えるけど、全部鶴丸の優しさなんだと思う。
私がマジになって落ち込まないように、時に茶化しながら居心地いい空間を作ってくれる。
居場所を作ってくれる。
ゆっくり私に刺激を与え続ける鶴丸にしがみついたまま泣いた。
「泣くな」
「やだ。泣く」
「なんでだ」
「鶴さんが優しすぎるから」
ぼたぼた落ちる涙が鶴丸の白い着物に吸い込まれていく。
「…本気で萎えるからやめてくれ」
「じゃあ萎えて」
そう言って鶴丸の頬を掴み、口づける。
私からのキスは今日2回目。
もう彼にキスをするのには抵抗はない。
舌を絡めて何度も吸って。そうしていると、
「主っ、ダメだ」
鶴丸が私の手を掴んで離させた。
「もってかれる」
「は?」
「キスしてると主のなかが俺をもってこうとする」
「いいじゃない、それで」
「俺が主を感じさせたいという望みは叶えさせてもらえないのか?」
「うんそう」
もう一度鶴丸の頬を掴んで口づけた。
そのままゆるゆると私が腰を動かして鶴丸が達するように導いた。
「っっ…」
私を強く抱き締めて、
「主は俺をどうしたいんだ」
悔しそうに言う。
「…言霊から逃げられないんなら…」
そこまで言うと鶴丸が私の唇を塞ぎ、再び畳に組み敷いた。
そして口づけるのをやめると強く腰を振り始める。
「んっっ、あ!!あっ、駄目、だって!!やだぁぁぁ」
強い刺激に生理現象としての涙が出た。
今まで緩やかに訪れていた波が突然爆発したようにやって来て、瞬間とてつもない絶頂が訪れる。
「ぁっ、ん、やめ…鶴っさ、ん」
「ダメだ。止めない。ほら、イけ!」
鶴丸にしがみついたまま何度も身体を震わせ、強く絶頂を迎え続ける私がほぼ意識を手放すまで攻め続けてきた。