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夢より素敵な 3.5次元

第7章 Can you guess what?


刀身に手を触れ、力を注ぐ。

今まで私の審神者力だといわれて一番納得がいっていたもの。

最近はあまり使っていなかった力。

ふわりとあたりが明るくなり、目の前に大きな影。

驚いて尻餅をついた私に、

「俺は岩融。あんたが主か?やけに小さいんだな」

私を見下ろして言った。

蜂須賀が私を支えて立ち上がらせる。

「おや、もう少し立端があったか」

豪快に笑う岩融。

「俺は三条派だ。武蔵坊弁慶の薙刀よ」

弁慶。知ってる。有名人だもの。

「ようこそ初めまして。よくいらっしゃいました。これからどうぞよろしくお願いします」

頭を下げた直後、身体がぐらついた。

やば、倒れる!!

思ったのも束の間。

岩融に片腕で抱え上げられていた。

「大丈夫か?主」

「あ、りがと」

返したが目線が高い。蜂須賀の顔が同じ高さなくらい。

「あんたは?」

「俺は蜂須賀虎徹だ。よろしく頼む」

相当鍛刀に気合いを入れたのだろう。

金色の戦闘服が眩しかった。

「なぁ、人間ってのはこんなに熱いのか?」

「え?」

岩融に言われ蜂須賀が私の頬に触れる。

「主熱があるじゃないか!!だからあんな目を。早く言いなよ」

「ごめん」

「とにかく、岩融。主をそのまま連れてきてくれ。部屋に返したら皆に紹介する」

「判った」

岩融は私を肩に担いだまま歩き出した。

岩融に連れられ部屋に戻ると、蜂須賀はそのまま岩融を連れて去っていった。

案外力使ったかも、と畳の上にへたりこんでいると、

「大将、薬作ってきたぜ」

薬研が部屋に来た。

落ち着きないな、私の部屋。

「お帰りなさい。みんな無事?」

「あぁ。お陰さんで無傷だ」

言いながらまた私に顔を近づけ額を当ててきた。

「熱いな」

「苦い葉っぱは苦い葉っぱなだけだったよ」

「そうか」

そう言って薬研は私に軽く口づけて離れた。

「なっ…」

「さっき部屋でしてもよかったんだが兄弟たちが見てる手前な」

なんて笑う。

「俺だって大将の唇に触れてみたかったんだ。許せ」

そう言って薬を机に置いた。

「頓服だから熱が高いときだけ飲めよ?風邪じゃなさそうだが、何があった?」

「わっ、かんないんだよね」

とっさにそう返したが、ぎこちなかったか。

「そうか?なんかあったらすぐ言えよ?」

「…うん。ありがとう」
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