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夢より素敵な 3.5次元

第6章 美しい悲劇


「あーやっぱり主さん長州のひとだったんだ」

堀川が落ち込みながら膝を抱えて酒を呑んでいる。

そして清光は陸奥守のところまで移動した私にぴったりとくっついてきていた。

「清光は主が長州とかは気になんないの?」

「なんで?俺は俺を愛してくれれば主がどこの出だろうが関係ないよ」

清光もなかなかの男前発言をした。

よく考えてみればこの本丸には男前な性格をしている男士がゴロゴロしているような…。今更だけど。

「それに方言で喋る主もかわいいじゃん」

言いながら私の腹に後ろから腕を回してきた。膝は立てて私の身体を挟んでいる。

「清光恥ずかしいけぇ、それ。やめてくれん?」

「やーだー。今日は俺ずっと主といるって決めたんだから」

「前回とはずいぶん違うんだな。驚いた」

確かによそよそしかった前回の清光とは大違いだ。

そしてなぜか鶴丸までついてきている。

「なして鶴さんまで来ちょるん?せっかく逃げてきたのにから」

「俺だって加州と同じで主の方言を近くで聞きたいんだ」

「ふーん。じゃあ呑みさん」

近くにあった一升瓶を引き寄せ鶴丸のお猪口に注いだ。

「堀川くんも呑まんかね」

「うぅーーーー。悔しいけど僕もそれ好き」

膝を抱えたまま私にお猪口をつき出してきた。

「でしょ?俺も好きー。今までよく隠してたね」

「初めに清光が新選組の刀だって聞いた時点でやばいと思って封印しとったんよ」

「和泉守聞いたらぶっ倒れるね。てかどうなるか気になるから無理やり起こしてみようか?」

安定が楽しそうに和泉守の元まで向かった。

そして、肩を叩いたり揺らしたりしながら和泉守を起こしている。

そして起きないなぁと紙に何かを書き始めた。

「なぁ、主。鶴さん好きってその口調で言ってくれないか?」

「えー。嫌っちゃ」

「何でだ。聞きたい」

さすがにそれは恥ずかしくて拒んだのだが、鶴丸はキラキラした目で催促してくる。

しょうがないなぁ。

「…鶴さん、好きじゃけぇね」

「うはっ!」

鶴丸が持っていたお猪口から酒を溢した。

「あーあーもう何やってんの」

光忠が布巾を持ってやってきた。結局みんな集まって来てる気がする。

「えー、主俺には?」

「清光も好きっちゃ」

もうどうでもよくなってきた。

今夜はとことん地で恥ずかしい台詞も言ってやるわよ!
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