銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第12章 大規模侵攻
2人は同時に金切り声を上げて叫び出し、慌てて後ろを振り向くとそこには白いパーカー姿の天羽月彦が立っていた。
「急に後ろに立つな天羽!びっくりするだろ!」
「別にいいじゃん。」
『はぁー....びっくりした。』
「で、何が変なの?」
『いや、なんというか...こういつもと空気が違う気がして、嫌な予感がするの....何かが悪いことが起こりそうで。』
「海影の勘は当たるからなぁ....」
「確かに、海影先輩がそう思うなら、何かあるのかもね。」
3人はほぼ同時に空を見上げる。
すると危険区域以外の空は晴れているのに、何故か本部の周りの空が気味の悪い雲に覆われていた。
『なんでここだけ...』
そう呟いた時だった。
「うお、早いな。海影、天羽。来たぞ。」
迅の言葉と共に目の前に稲妻が走り、門が現れる。
空気が震え、真っ黒い穴が元あった空間を侵食し、数え切れないほどのネイバーが這い出て来た。
『4年前より大きいね....』
「数が多いだけでつまんない色のヤツらばかり。」
「よし、海影、最前の未来への道作り頼んだぞ。行くぞ天羽。」
『了解』
「了解」
空模様はさらにより一層悪くなり、眼下には数えるのが嫌になるほどの門とアフトクラトルから送られてきたであろうトリオン兵。
大規模侵攻の始まりの意味していた。
海影はすぐに街一面が見渡せる高台に移動すると、ネイバーの動きを観察していた。
『シノさん。門の発生を目視で確認!!目視できるだけでも本部の周りにざっと見ただけでも40以上。未だ増加中。指示をお願いします!』
【任務中の部隊はオペレーターの指示に従って展開!
トリオン兵を撃滅せよ!!
1匹たりとも警戒区域から出すな!!
非番の正隊員に緊急招集を掛けろ!
全力で迎撃に当たる!!作戦開始だ!!】
『「了解!!」』
既に臨戦態勢に入っている迅達に忍田の的確な指示が入り、それぞれが一斉に動き出す。
それはトリオン兵も同じで、恐らくこちらの部隊を分断させるのが目的なのだろう。
バラバラの方向へと移動を始めていた。