銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第12章 大規模侵攻
【海影!敵の様子を教えてくれ!】
『はーい!』
忍田は偵察の任を任せている海影に外の様子を尋ねた。
偵察とは敵の様子・動きや地形などを観測しながら情報を得る仕事で、いち早く状況に適応でき、海影の冷静さと戦闘においての勘の良さを見込んで忍田が頼んだのだ。
『門は未だに増加中、
モールモットやバムスター、バンダーが主かな。人型の気配はなし。
門から出てきたトリオン兵はそれぞれ纏まって5方向に移動し始めてる。
こっちの分断が狙ってるみたい。
今のところ人型や新型は見られない!以上』
状況を見ていた海影がネイバーが割れ始めたのを目視で確認後声を上げる。
「了解した!沢村くんトリオン兵はどう別れている。」
「西・北西・東・南・南西の5方向です。」
「現場の部隊を三手に分けて東・南・南西の敵にそれぞれ当たらせろ!迅は西に、天羽は北西に向かってくれ!海影!敵の有益な情報が入り次第そっちに回す!敵の狙いを探りながら東部と南部のB級の補助に当たってくれ!!」
『九十九了解(東さんが南で、諏訪隊が東か.....諏訪さんからの方がいいかな。)』
ダンっ!と勢いよく踏み込みさっきまでいた高台から海影は飛び降りる。
そして着地すると未だその黒々とした口を開けている門に向かって走り出した。
『(まだネイバーが出てきてる....!これはあんまり時間かけてられないな。)』
『頼んだよ。スコーピオン。』
スコーピオンを起動すると次から次へと倒していく。
だが、倒しても倒しても次から次へと門から出てくるトリオン兵。
正直キリがない。
『あ〜も!こんなことなら、メイントリガーを孤月に変えとくんだった〜!』
と文句を言いながらも、敵をバッサバッサ切りながら最短距離で東に向かう。
行く手をモールモットに邪魔されスムーズに東に向かえない。
オマケに戦闘用トリオン兵モールモット以外のバンダーやバムスターなどの大柄なトリオン兵までもが出て来る始末だった。
だが、こんなのはただの序章に過ぎない。
本命は人型ネイバーだ。
海影はトリオンの消費に気を使いながら殲滅を行いながら確実に東部へと進んでいたその時。