銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第11章 侵攻前の作戦会議
「我々としては万全の備えで被害を最小限に食い止めたい。平たく言えばきみにネイバーとしての意見を聞きたいということだ。」
「ふむ。ネイバーとしての意見。」
釈然としないのか遊真は忍田の言葉を繰り返した。
「ネイバーフッドにいくつもの国があるのことはわかっとる。いくつかの国には遠征もしとるだが、まだデータが足らん!知りたいのは攻めてくるのがどこの国でどんな攻撃をしてくるかだ!」
「なるほどそういうことなら、おれの相棒に訊いた方が早いな。よろしく。」
遊真はそこまで言うとブラックトリガーが装着してある手をかざす。
するとにゅー...とまるで分離するかのようにレプリカが出てきた。
「心得た。はじめまして私の名はレプリカ。ユーマのお目付け役だ。」
「なんだこいつは!」
「私はユーマの父、ユーゴに造られた多目的トリオン兵だ。私の中にはユーゴとユーマが旅したネイバーフッドの国々の記録がある。おそらくそちらが望む情報も提供できるだろう。」
「おお....!」
『レプリカ....すごい。』
レプリカは感心する周りを他所に言葉を続けた。
「だがその前に....ボーダーにはネイバーに対して無差別に敵意を持つ者もいると聞く。私自身ボーダー本部を信用していない。ボーダーの最高責任者殿には私の持つ情報と引き換えにユーマの身の安全を保証すると約束して頂こう。」
まるで親が子を守ろうとしているように感じた。
城戸は何を考えているのか分からないが黙り込んでいるが、万が一嘘を着いたとしても遊真のサイドエフェクトで分かる。
どうやらレプリカは城戸を試しているようだった。