第11章 侵攻前の作戦会議

2人がそれぞれの場所に転送されモニターに映る。
　
「緑川って何者なんですか？」
　
『ん？あー、緑川くんはA級4位 草壁隊のアタッカーだよ。』
　
「A級4位部隊.....！？強いとは思ったけどそんなに上だったのか.....！」
　
開いた口が塞がらないのか修はあんぐりとしていた。
　
「陽介や海影とどっちが強い？」
　
「ソロだとどーだろうなー。オレポイント覚えてねーし。勝ったり負けたりだなー。緑川はまだ中坊だし、才能ならあっちが上なんじゃねーの？」
　
『私もポイント覚えてないから分からないなぁ。でもやっぱり1年ぐらいであそこまで上り詰めたぐらいだから上だと思うよ。』
　
「嘘だな。」
　
「「『え？？』」」
　
「こいつは強いぜ。風間さんや太刀川さん、迅さん。実質1位の小南とも互角に渡り合えるぐらいだからな。まあ、それもやる気になればの話だけど。それにコイツ忍田本部長とたまに稽古してるしな。」
　
「ええ！！？」
　
陽介の言葉により一瞬にして海影に視線が集まる。
　
『いやいや！互角とまではいかないよ。実質負けてる回数の方が多いし、読みを通されるとこっちが負ける！』
　
「嘘つけ！毎回オレや緑川をボコるくせによく言うぜ！」
　
米屋は「少しは自信持てよ！」と笑いながら海影に軽いデコピンをする。
いたたた。と言って海影が額を摩っているとロビーがざわめいた。
急いでモニターを見るとスコーピオンで串刺しにされ、倒れている遊真の姿が目に入った。
　
────空閑 緊急脱出 1―0 緑川リード
　
「ゆうま！」
　
辺りは騒然とする。
そして惚けている間にも時は進むもので2本目が始まった。
　
ガッ。ギン。カギン。
　
激しい戦闘が繰り広げられる。

「動きは悪くないけど」
　
そこまで言うと緑川は遊真の後ろに回り込みブレードで胴体を切り裂いた。
　
「オレの敵じゃないね。」
　
2―0また緑川が空閑から1本取った。
悔しがる陽太郎と唖然とする修、やっぱりA級はちがうというギャラリーをよそに米屋と海影はにっこりと笑っていた。