銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第11章 侵攻前の作戦会議
「おつかれ、メガネくん。実力は大体わかったからもういいや。帰っていいよ。」
明るくまだ少年らしい声が聞こえてきた。
4人は声が聞こえてきた上を見ると、煽るように緑川が修を見下ろしている。
あちらこちらのギャラリーでは[期待はずれ]、[風間さんと引き分けたのってのもガセだな。]というヒソヒソ話と修に対しての批判が飛び交っていた。
それにイラッとした陽太郎は海影から床に下ろして貰うと雷神丸に乗って何かを叫んでいたが、等の雷神丸は無視を決め込んでいる。
「あ、つくもん先輩じゃん!聞いたよ!玉狛から本部に転属したんでしょ!?今暇!?ランク戦しよーよ!」
『え、あ、あー。うん───「....なあ。」
修に対しての塩対応とはうってかわり、海影を見つけた緑川はまるで人懐っこい子犬のように海影にランク戦へと誘う。
当本人の海影はあまりの態度の変わりように戸惑いながら了承しようとした時だった。
隣からさっきまで黙っていた遊真が緑川に問いかけた。
「この見物人を集めたのおまえか?」
「....ちがうよ。風間さんと引き分けたっていうウワサに寄ってきたんだろ。オレは何もしてないよ。」
遊真の問いに緑川が素っ気なくそして嘘を交えながら答える。
サイドエフェクトで緑川の感情を読んでいる海影はすぐに緑川の嘘に気づき『えー嘘ついてるし』と少し冷や汗をかきながら苦笑いを浮かべていた。
「へぇ....」
そう呟いた遊真の人とは違った真っ白な瞳孔が真っ黒に染まったかと思うと普段とはうってかわった雰囲気を出しながら一言こう言った。