銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第11章 侵攻前の作戦会議
「なんだあ?妙に観客が多いなぁ。」
『ホントだ何でだろう?』
対戦ブースにつくとホールの辺りがやけに賑わっており、もっとも注目を浴びているパネルに視線を向けると緑川と修の名前が記してあった。
────十本勝負終了 10対0 勝者緑川
「お、いつぞやのメガネボーイじゃん。緑川とランク戦か?」
「......ミドリカワね。」
『はぁ。しまった。修は大丈夫だと思って気にかけてなかった。完全に油断してたあー。』
サイドエフェクトで緑川の感情とランク戦をした狙いを見てしまった海影は頭が痛そうに抱き抱えていた陽太郎の頭に顔を埋めると重いため息を吐く。
「ん?みかげどうした?」
『ううん。なんでもないよ。陽太郎。』
様子がおかしくなった海影に陽太郎は不思議そうな視線を送りながら尋ねるが、海影はすぐに笑顔を作って『なんでもない』と誤魔化した。
しばらくして、ランク戦を終えた修が疲れた様子で対戦ブースから出てくる。
『おつかれー、修。』
「こら、おさむ!負けてしまうとはなにごとか!」
「なんか目立ってんなー」
海影に抱き抱えられている陽太郎は悔しそうに声を荒らげ修に指をさし、隣にいた遊真手をヒラヒラと降って修に近づく。
「陽太郎.....!?空閑....!海影先輩....!」
3人の存在に気づいた修が驚いたような声を上げた瞬間。