第11章 侵攻前の作戦会議

「ちがうちがう。ネイバーをぶっ殺すのは当然だと思ってたのに、最近まわりが逆のこと言い出したから混乱してんだよ。」
　
『それは....その....なんか....ごめん。秀次。』
　
「いや。おまえが謝ることじゃない。」
　
「そうだぞ！みかげ！」
　
『あはは....秀次も陽太郎も優しいね。』
　
「あー。そっか。お姉さんネイバーに殺されてるんだっけ。」
　
何となく気まずい雰囲気になった瞬間
それを破るかのように遊真が米屋に教えてもらった何故三輪がネイバーを負の対象として見ている理由を呟いた。
　
「....！！なんでそれを....！？」
　
遊真が発した言葉に驚きを隠せなかった三輪は今まで目線さえも向けようともしなかった遊真へと視線を向ける。
そして遊真に告げ口した米屋は知らんぷりを決め込んでいた。
　
『陽介でしょ。遊真に秀次のお姉さんのこと言ったの。』
　
「さーな。」
　
少し離れたところで、三輪に聞こえないように海影は米屋に問いかける。
すると米屋は何のことやらという顔をしていた。
　
「おれの相棒ならお姉さんを殺したのが、どこの国が絞れるかもよ？」

「....ふざけるな....！おまえの手は借りない....！ネイバーは全て敵だ.....！」
　
ギリッ唇を噛み締めた三輪はそう言うと、翻して階段を上っていく。
　
「おい秀次どこ行くんだ？」
　
「....会議に出る。」
　
『あんまり無理したらダメだよ....』
　
「やれやれ。マジメなやつはつらいねぇ....」

イライラしたようすの三輪を見送ると米屋は少し呆れたようすでポリポリと頭をかく。
　
「あ、そういやオレおまえと勝負する約束だったよな！ヒマならいっちょバトろうぜ！もちろん九十九もな！」
　
「正隊員と訓練生って戦えるんだっけ？」
　
『ポイントが動くランク戦は無理だけど、フリーの練習試合ならできるよ。』
　
「ほうほう。じゃあミカゲとも戦えるのか？」
　
『もちろん。戦えるよ。』
　
「じゃ。対戦ブース行くぞ！」
　
ばんっ！と二人の背中を押すと米屋は二人を対戦ブースへと案内した。