銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第11章 侵攻前の作戦会議
「我が物顔でうろついているな.....ネイバー....!」
「あんたは.....[重くなる弾の人]」
『秀次....』
皮肉を言われいるのにも関わらず遊真は平然とした態度で三輪を見る。
三輪は足に当たって動きを止めた硬貨を拾い上げると遊真に手渡した。
どうやら前までは邪険にしていないと見える。
『秀次大丈夫?顔色悪そうだけど。』
「問題ない。」
それだけ答えると遊真の隣の自販機で飲み物を買い、そうそうにその場を去ろうとする三輪に遊真が不思議そうに尋ねた。
「どうした?元気ないね。前はいきなりドカドカ撃ってきたのに。」
「本部がお前の入隊を認めた以上.....お前を殺すのは規則違反だ。」
「ほう....?」
イマイチピンと来ない様子で遊真は生半可な声をあげ、首を傾げている。
『「《模擬戦を除くボーダー隊員同士の戦闘を固く禁ずる》っていう規則があって、違反者は厳罰を受けることになってるの。』
「そうなのか。気を付けないとだな。」
なるほどなるほどと顎の下に手を当てると納得したように頷いていると
「おっ!黒トリの白チビと九十九じゃん!」
突然三輪が降りてきたであろう階段の方から聞き覚えのある明るい声が響いた。
全員の視線がその声が聞こえた方に集中する。
目線の先には、陽太郎を肩車した米屋と、その隣を歩いている雷神丸の姿があった。
『陽介!お疲れさまー。』
「[ヤリの人]とようたろう....?なんで一緒にいんの?」
「クソガキ様のお守りしてんだよ。」
「陽介はしおりちゃんのイトコなのだ」
「ほうほう。しおりちゃんの....玉狛と本部は思ったより仲が悪くないのか.....?」
「しおりちゃんととりまるは、ちょっとまえまで本部にいたからな。」
「今もたまに本部に来てるし。」
陽介から降りた陽太郎を抱き抱えながら説明する海影。
遊真は「つまりはオサムと似たような感じか」と呟いて3人の説明を受け入れた。
「つーか秀次。おまえなんか会議に呼ばれてなかったっけ?」
「....風間さんに体調不良で欠席すると言ってある。」
「ふむ。体の調子が悪いのか?」
ボサボサの髪に目の下の酷い隈観るからに体調が悪そうな三輪をみて遊真は納得するが、それを米屋は否定した。