銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第3章 白いネイバーと少女
赤信号に気づかず、道路に出た遊真は走ってきた車に引かれた。
「空閑!」
『遊真!!』
ドッ!ゴッ!と音を立てボールのように跳び跳ねながら、転がっていく遊真を見て、全身から血の気が引いていく。
「あー、しまった。またやった。赤は【とまれ】だった。」
やっと止まった遊真はゆっくりと立ち上がる。
起き上がった遊真を見て、海影も修も驚愕した。
彼女達の目線の先の遊真の顔が割れて、血の代わりに黒い煙のようなものが立ち上っている。
そして、パキパキッと音を立てながら、ひび割れた顔は元の形へと戻っていくではないか。
『トリオン体...』
「え?」
「大丈夫ですか!?」
海影がボソッと呟いたのと同時に、車から顔面蒼白の女性と男性が出てきて、駆け寄ってくる。
そんな2人に遊真は 自分が無事であること、そして車を壊してしまったことに詫びをいれる。
当然、相手もその場にいた海影達もパニックを起こすも何とか穏便に済ませた。
『ねぇ、遊真...その体...』
「ん?」
『いや。何でもないよ。帰ろっか。』
今度こそ家路についた三人は遊真がネイバーであること、そしてどんな旅をしていたのかを語り合いながら帰る。
その後海影が支部についたときにはお腹を空かせた栞と陽太郎が待っていたという。