銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第10章 ついに来た!正式入隊日!
『ふふ。にしても凄いなぁ。』
海影は遊真の叩き出した記録に感心しながらスナイパー用の訓練室までの殺風景な廊下を歩いていると、見覚えのある髭を生やした青年が海影の前に立ち塞がった。
『あ、太刀川さん!』
「おお。この前ぶりだな海影!今日は付き添いか?」
イエーイ!と、二人は言いながら拳同士をコツンと
ぶつけて挨拶をする。
『はい!それもあるんですけど転属手続きをしに来たんですよ!』
「ああ!今日からか!よろしくな。」
『よろしくお願いします!』
「海影。今暇か?ランク戦しないか?久しぶりに孤月を使ってるお前と戦いたい。」
『あー....ごめんなさい!今から次の子の様子を見に行かなきゃなんです!
それに今はスコーピオン使ってますから、孤月の腕は鈍ってると思います。』
「そうか.....それは仕方ないな。じゃあまた次の機会にするとしよう。」
『じゃあそれまでには孤月の腕磨いときます!
次戦った時は絶対勝ち越してやりますよ!あははっ。』
「ほう。それは楽しみだな!」
ではっ。と挨拶をして海影はその場から立ち去ろうと足をつき動かした。
「海影!入る隊を決めてないなら、いつでも言えよ!」
『はーい!誰からのお誘いがなかったら、お願いしますね~!じゃあね!太刀川さん!』
冗談めかしにそう言うとヒラヒラと手を降り、海影は太刀川と別れまた一人で殺風景な廊下を歩き始めた。
太刀川は海影が見えなくなると、はぁとため息をついてポリポリと首を掻く。
「(迅に言われて誘っては見たものの....ありゃ。絶対冗談だと思ってるな....さてどうしたもんか。)」
まさかさっきの勧誘が本気だとは露知らず、千佳はどうしてるかなぁと呑気なことを考えながら目前となった訓練室の入り口に近づいた瞬間。