銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第10章 ついに来た!正式入隊日!
─────始め!!
アナウンスが言い終わるか終わらないかの瞬間
遊真は一瞬にしてネイバーのその硬い装甲ごと目を切る。
パキッと音が聞こえ、力尽きた大型ネイバーはその巨体を地面へと横たわらせた。
記録0.6秒
1分どころか 1秒を切る記録にその場の全員が唖然とし、思考が追い付いていない様子だった。
『凄い....一秒切った!!さすが小南の弟子だけある。』
遊真の活躍に嬉しそうに海影は声を弾ませる。
「.....0,6秒!?」
常人では出せない記録に我を取り戻した全員が声をあげる。
「いやいやいや。そんなわけないだろ。まぐれだ!計測器の故障だ!もう一回やり直せ!」
遊真の実力を信じられないC級の少年はそう声を荒げると訓練のやり直しを訴える。
「もう、一回?いいよ。」
もう一回という声に遊真は軽く了承すると今さっき出てきた訓練室の中に入る。
そして再び現れたネイバーに刃を振るう。
───記録 0,4秒
ボーダーのトリガーに慣れ始めたのか、さらに記録が縮んだ記録に全員が驚きのあまり叫んでいた。
『遊真!』
「ミカゲ!見てたか?」
『見てたよ!凄いじゃん!さすが遊真!』
C級の子達に囲まれている遊真の元に駆け寄った海影は、白くてふわふわしている遊真の頭を撫でる。
「海影先輩。」
遊真の頭を撫でていると後ろから急に名前を呼ばれ、海影は手を止めて後ろを振り向くと、バイト終わりなのだろうか、先程まで居なかった京介が修の隣に立っていた。
『あ、とりまる来た!』
「とりまる先輩。」
『じゃあまたあとでね遊真。次は千佳のところに行くね。』
「おう。」
遊真と別れ、海影は京介の元へと駆け寄る。
『バイト終わったの?』
「スッ。思ったより長引いて。遅れました。」
『そっか!バイトお疲れさま!長引いたのに来てくれてありがとう!じゃあね後はお願いね。』
「わかりました。」
『じゃあ頼んだね』と言って軽く京介の頭を撫で、木虎と修には別れを告げ、千佳の元に海影は向かうのであった。