銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第10章 ついに来た!正式入隊日!
『そういえばさ!修と木虎の時は何秒かかったの?』
少し飽き始めたのか海影は急に二人に問いかける。
「私は9秒です。」
『え!ホント?さすが木虎ね!10秒切るなんてすごいよ!』
「いえ、そのぐらい当然です!」
海影の褒めに照れたのか頬を真っ赤に染めて答える木虎に、追い討ちをかけるようによしよしと頭を撫でる。
『そんなことないよ。木虎は凄い子だね!尊敬するよ!』
「あ、あ、ありがとうございます!」
キャパオーバーしたのか目を回し、混乱しながら木虎は答える。
「海影先輩。あまりうちの木虎を口説かないでください。」
『口説いてる訳じゃないんだけどなぁ。』
時枝の指摘にあはは....と困ったような笑みを浮かべる。
「そ、そういえば!三雲くんは何秒かかったの?」
「え、いや、ぼ、ぼくは...」
すっかり我を取り戻した木虎からの質問にどう答えようか迷い、言葉を濁している修に気をとられていると、フロア全体がざわついた。
『ん?どうしたのかな?』
咄嗟にざわついた2号室に目を向けると、入隊式の時に遊真と会話をしていた3人組の少年、後に遊真により新3人バカと呼ばれる子たちのリーダー各の少年が2号室から出てきた。
「1分切った! 」
「すげー!」
「さすがだな!」
よく会話を聞いているとどうやら、3人組のリーダー各の少年が訓練で1分切ったようだった。
C級の誰もが感心しているなか、木虎と海影はふーんというのは表情で目下の3人組を見ていた。
『へぇ。やっとまともな子が現れたね。』
「58秒まぁまぁですね。」
『そう?初めてにしては上出来だと私は思うよ。』
「(ぼくの時は時間切れで失格...)」
二人の会話についていけない修は冷や汗をかきながらそう思う。
『お、そろそろ遊真の出番みたい!』
5号室を見た海影は嬉しそうに声を弾ませる。
海影につられ二人は5号室に目を向けるとやる気に満ち溢れた遊真が中に入っていくのが見える。