銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第10章 ついに来た!正式入隊日!
「さぁ!着いたぞ。」
嵐山の声が聞こえ、殺風景の廊下を抜けた先の光景に目を向けると目の前に広がったのは訓練室。
まさか....海影は何かを察したのか、苦笑いを浮かべる。
「まず最初の訓練は対ネイバー戦闘訓練だ!」
これまた笑顔で恐ろしいことを言う嵐山に海影は開いた口が塞がらない。
え?え?いきなりこれ!?と言わんばかりに嵐山を凝視し、隣にいる木虎と修をみると、呆れたような表情を浮かべていた。
『えっ!?...いきなり戦闘訓練!?二人の時もそうだったの?』
「はい。僕の時も....」
「私のときもいきなりこれでした。でもこれでだいたい分かるんですよね。向いているかどうか。」
『まぁ。確かにそうだけど....』
木虎の言葉に海影は納得すると説明を続ける嵐山に目を向ける。
「仮入隊で経験した者もいると思うが訓練室ではトリオン切れも怪我することもない。安心して戦ってくれ。」
『今年の新人はどれだけすごいのかなぁ。1年ぐらい前は粒揃いだったって聞いてるけど。』
訓練室の前までの階段を下っていくC級達を見届けながら、海影は嵐山の説明に耳を傾ける。
「今回戦ってもらうのは[ 初心者レベル ]の相手....君たちも見たことのある大型ネイバーだ。訓練用に少し小型化してある。攻撃力はないが、その分装甲は分厚いぞ。」
そんな三人に構わず話を進めていく嵐山は訓練室の上の方にある窓に手をあげる。
すると、音を立てて訓練室内に現れたのは大型ネイバーバムスターだった。
『おう....マジか。初日から大型ネイバーなのね....』
「まぁ。そういう反応になりますよね。」
理解が追い付かないのか微妙に引きぎみになりつつある海影を見て修は何とも言えない表情を浮かべていた。
「説明は以上!各部屋始めてくれ!」
修と海影が話しているうちに説明が終わり、C級たちはそれぞれ割り当てあられた訓練室入り、戦闘訓練が始まった。
「初めてなら1分切れればいいほうね。」
『う~ん...筋はいいんだけどね~今回の子達はちょっとパッとしないなぁ~』
どのC級も筋はいいが、1分を切る者はおらず5分ギリギリでクリアするC級が多かった。
その現状を見て海影は言葉を濁すと何とも言えない表情で、後輩となる新人達を見た。