銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第9章 クリスマスデートとプレゼント!?【番外編】
────12月25日
クリスマス当日。
待ち合わせにはぴったりの公園で海影はまだ光っていないイルミネーションを見ている。
『久しぶりだなぁ。』
そういえば出水とちゃんと時間をとって出掛けるのいつぶりだっけ?と考える。
お互い防衛任務や遠征などで時間が取れず、なかなか遊ぶことが出来なかったため、こうしてゆっくり遊ぶのは久しぶりだ。
『それにしても遅い。どうしたんだろう。』
時間はとうに過ぎており、辺りを見回しても出水らしき人は見当たらない。
さすがに遅すぎるので携帯を見ると留守電が入っていた。
【わりぃ。海影。急に防衛任務が入って遅れる。ホントごめん。】
以上です。と携帯からナレーションが流れる。
海影はその携帯をぎゅっ。と握りしめると、切り替えるようにはぁと小さく息をはいた。
『よし!そこら辺で時間潰すか!』
勢いよくベンチから立ち上がると、1人で三門市唯一の商店街を歩き始める。
その背中は少し寂しそうだった。
「あれ?九十九じゃねか!」
『え?』
突然呼ばれた自分の名前に反応して下に向けていた視線を上に向けると、生身でも戦闘体でも煙草を加えている諏訪洸太郎が目の前に立っていた。
『あれ?諏訪さん。』
「おいおい。どうした?しけたツラして。」
『しけたツラはしてないです~....実は──』
かくかくしかじかトリオンしかく。
理由を話すと諏訪はあーと困ったように考えるようにがしがしと頭を掻く。
「そりゃ災難だな。」
『A級1位ですしね。忙しいのは仕方ないと思います。』
「まーた、そうやって無理やり割り切ろうとしやがる。」
諏訪は大きなため息を吐くと、もらったジュースを飲む海影の鼻をつまんだ。
「わがまま言ってもいいんじゃねーのか?」
『え??』
「寂しいなら寂しいって言えばいいじゃねーか。」
『...でも。』
「大丈夫だよ。な?」
諏訪は笑顔で妹がいたらこんな感じなのかな?なんて思いながら海影の頭をよしよしと撫でる。
『あ、諏訪さん!あのね、諏訪さんが好きそうな本見つけたんです!』
「お?どんな本だ?お前の選ぶ本はどれもいい本だからな!教えてくれよ!」
『はい!この近くに本屋さんがあるんで行きますか?』
そう言った瞬間だった。
海影の手がグッ!と後ろに引かれ、諏訪から離させる。