銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第8章 ブラックトリガー争奪戦
「何を企んでいる?迅....!」
「別に何も企んでないよ。かわいい後輩を陰ながらかっこよく支援してるだけ。俺は別にあんたたちに勝ちたい訳じゃない。ただ後輩たちの戦いを大人たちに邪魔されたくないだけ。」
それを聞いて城戸は目の近くにある傷を撫でる。
「ただひとつ付け加えるなら...城戸さん。うちの後輩たちは城戸さんの[ 真の目的 ]のためにもいつか必ず役に立つ。」
カバっ!城戸が顔をあげ、迅と目を会わせる。
「俺のサイドエフェクトがそう言ってる。」
「...お前もか?海影。」
『うん。私のサイドエフェクトが保証しますよ。』
「...いいだろう。」
しばらく目を瞑り何かを考えていた城戸は目を開くと傷跡を撫でながら唇を切る。
「だが、ひとつ条件を足してもらう。」
そう言うと迅の隣で不安を隠すため笑顔を張り付けている海影に目線を向ける。
「九十九海影を....本部で預かる。それが呑めるなら契約成立だ。」
「...!!」
『え.....』
ばっ!!と海影に視線が集まる。
ひくっ。と苦笑いを浮かべる海影。
「それどういうこと?城戸さん。」
「空閑遊真を玉狛に所属させる代わりに、九十九海影を本部に転属させる。
玉狛にブラックトリガーが3つとなれば傾いていたパワーバランスが完全に傾くが、
海影、お前が本部に転属するのであれば話は別だ。」
「城戸さん!それは『いいよ。』
「海影!?」
『私が本部に行けばいいんでしょ?それで遊真の入隊が認められるなら別にいい。』
焦る忍田と対象に海影は平然とした態度で、しかも即答する。
もしこれを断れば、ブラックトリガーを許可なしで使ったことブラックトリガーを没収されるかもしれない。
それに海影が本部に転属することで遊真が狙われることが無くなるのなら海影にとっては万々歳だった。
「取引成立だ。ブラックトリガー[ 風刃 ]とA級隊員九十九海影と引き換えに....玉狛支部 空閑遊真のボーダー入隊を正式に認める。」
という経緯だったのだ。