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銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】

第8章 ブラックトリガー争奪戦


『ふわぁ...やっと終わったぁ。』

「お疲れ。海影。あげせん食う?」

『ありがとう。お疲れさまは迅もだけどね。』

迅の手に持ってあるあげせんの袋から1枚取り出すと、小さな口でパリッ。と音を立ててかじる。

『これで遊真に楽しい時間がいっぱいできるといいね。』

「そうだな。風刃のこと何も話さなくて悪かったな。海影。ビックリしただろ?」

『確かにビックリはしたけど....私は迅が決めたことなら何も言わない。後悔はしてないんなら尚更。』

「まあね。ありがとうな。海影。」

迅は最初驚いた顔をしたが、すぐにニッコリと笑って海影の頭を優しく撫でた。海影はそれを甘んじて受け入れると、迅の笑顔を見て海影も笑顔を浮かべた。

「海影。もう終わったから無理する必要ないぞ。」

『.....あはは。なんで分かっちゃうかな。』

海影はそう言い、トリガーを解除するとぐらりと身体から力が抜けた。

「おっと。だいぶ重症だな。」

『大丈夫。少しすれば治る。』

「それより薬打った方が早いだろ。薬は?」

『.....上着の左ポケット。』

「ここだな。にしても毎回これする時嫌そうだな。」

『痛いんだよ。』

迅は左ポケットに手を入れると、薬剤の入った細い筒を取り出し、海影の首に当てた。
おそらくそれが注射なのだろう。

「打つぞ」

『う、うん。いっ!?』

「よし。終わった。じゃあ。またな。海影。もう休めよ。そろそろ限界だろ?」

『まーね。バイバーイ!迅。』

迅は海影を椅子に座わらせ、2人はその場でその日の別れを告げ、迅は外へ続く廊下を歩き始めた。
そして廊下の椅子に座り伸びをしていると、海影の前に誰かが立ち止まる。

『ん?』

ゆっくりと上を見上げると、二人分の飲み物を持っている出水公平の姿がそこにあった。
 
『公平?』
 
「よ。お疲れ。」
 
飲み物を海影に渡しながら、出水は海影の隣に座る。

「聞いたぜ。迅さんとお前の事。」

ピクッ。と海影の動きが止まる。

『もう知ってるんだ。早いな...』
 
***遡ること数時間前
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