銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第8章 ブラックトリガー争奪戦
「じゃあ、迅さん。風刃手放したんだ。」
『うん。迅と一緒に立てた作戦のとき...そんなこと一言も言ってくれなかったのに....』
「そう拗ねんなって。迅さんにも何か考えがあったんじゃねーの?」
『拗ねてないもん。(ヤバいな.....即効性の注射打ってもまだ頭痛がする。追加で薬飲んどくか。)』
そう言い返したあと海影は注射に続き薬を服用する。
すると、急に猛烈な眠気がやって来て、眠たそうに目を擦ると、海影はこっくりこっくりと船を漕ぐ。
「眠いのか?」
『うん。ねむい...。』
「はぁ。仕方ねぇな。ほら。海影。」
出水は少し困った様子でため息をつくと今にも寝てしまいそうな海影の手を引き、自分の隊室につれていくと、ソファーに座らせる。
そして出水自身も海影の隣に座ると二人分のジュースを机に置き、海影の頭を引っ張ると自分の肩に乗せた。
一瞬海影は驚きを見せたもののそのままウトウトとし始める。
「報告書終わるまでだからな」
『う.....ん。』
「ふはっ。マジで眠気限界越えると子供みたいだな。」
『ねぇ。こーへい。』
「んー?」
『.....おかえ....り』
横目でふにゃりと笑う海影を見て、出水は少し顔を赤らめる。
内心あーやられたと思いながら、すっかり眠ってしまった海影の頭を優しく撫でる。
「ただいま。海影」
とどこか、いとおしそうにそう言うと結局出水は報告書の作成が終わってもずっと海影の隣にいたのだった。