銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第8章 ブラックトリガー争奪戦
「[風刃]と」
『[赤月]と』
「『おれ/私のサイドエフェクトは相性が良すぎるんだ。悪いな。/すみません。』」
二人の声が二重奏になる。
『このまま皆さんには負けて帰ってもらいます。』
「へぇ。手加減をしない海影は久しぶりだ。」
太刀川がそう言い終わるか終わらないかの辺りで、海影はブレードを飛ばす。
そこからは乱戦となった。
『よいしょっと。行け!赤月。』
真っ赤に光っているブレードが風間へと飛んでいき、攻撃する。
攻撃を受けたことにより風間はその場に膝から崩れ落ち、太刀川は疲弊しきっているのか壁に背を預けていた。
『「勝負あり、だな。/ですね。」』
「成る程な。いずれ来る実戦に備えて手の内を隠していたということか。」
「悪いねぇ生粋の能ある鷹なもんで。」
『え、それ自分でいう?』
「うん。」
「だが、風刃と赤月の性能は把握した。あと三週間、正式入隊日の間に必ずお前らを倒してブラックトリガーを回収する。」
息も絶え絶え、戦闘体の顔にヒビが入った状態の痛々しい太刀川が二人を見て笑う。
『「残念だけど、そりゃ無理 / です。」』
二人は声を揃えてそう言うと、海影は赤月、迅は風刃で風間と太刀川に攻撃する。
ドオオオンッ!
爆発音と共に二人は空へと飛んでいくベイルアウトだ。